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お前もか
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「…た、かお…?」
どうして、何故。
何故高尾が霧崎に居るのだよ。
宮地先輩も、大坪先輩も、木村先輩も、
監督でさえも、この事実を知らなかったのか驚いている。
一番始めに声を発したのは宮地先輩だった。
「…おい、あれ、高尾…だよな?」
その言葉に誰もが固唾を呑んだ。
何故だ
転校したんじゃなかったのか
それなら何故同じ街に居るんだ
でも現実は変わることなく、何度目を凝らしてもソレは高尾だった。
お前もか…お前もなのか高尾。
お前まで俺を裏切るのか。
また俺は裏切られたのか。
一度目は黒子に。
二度目は目の前の試合でベンチに座っている高尾。
何故お前まで俺の前から居なくなるんだ。
何故今俺の横に居ないのだよ。
高尾が俺たちの存在に気づいたようだ。
笑顔でこっちを見ている。
その笑みには何だか狂気的なモノを感じた。
その時、俺の知っている高尾はもうどこにも居ないんだ、と心の何処かで感じ取ることができた。
俺の見ていた高尾は全て偽物だったのだろうか。
『真ちゃん』と呼んでくれたことも
リヤカーを引いてくれたことも
先輩たちとの仲を取り持ってくれたことも
我儘をきいてくれたことも
一緒に残って練習したことも
俺へ向けてくれたあの眩しいような笑顔も。
全て偽りの、仮面を被ったお前だったのか?
答えろ、高尾ーーーー・・・
そんな俺の祈りを嘲笑うかのように
タイムアウトは終わり、オールバックの奴の代わりに高尾が試合に出ていった。
誠凛からは茶髪の見たことない奴が入っていった。
これ以上、俺の中の高尾を壊さないでくれ…
俺の中の高尾はいつも笑っていた。
しかしさっきの高尾の狂気的な笑みが頭から離れない。
もうお前の眩しい笑顔が思い出せないのだよ
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