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〃 ⑦
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「… みゆきぃ…」
「?」
「やっぱり、ダメだ…」
純の涙声に、御幸が驚いて口を離す。
「純さん…?」
「…ダメなんだよ…
オレ、お前じゃ、ダメなんだよ…」
「…! だって、…もう少しでっ…!」
「…わりぃなぁ……わりぃけど……」
と言って純は肩を震わす。
「純さん!」
「…オレ、…オレも好きなヤツがいてよ…」
「え?」
「オレも片想いだから、お前の気持ちは すげぇよく分かる…
お前の気持ちに応えられればラクだってのも 分かってる…
でもよ…
でも、やっぱり、ダメなんだ …
そいつに悪いとか、そういうんじゃなくて…
オレの気持ちが…お前に向いてないから…
わりぃな…こんな言い方で……」
肩を震わせ、俯いたまま、純が 途切れ途切れに言う。
御幸は膝を付いた格好で、純は腰を屈めた格好で
向かい合っている。
御幸の目の前にある純のぺニスは、硬さを失っていく。
(さっきまで……あんなにカタくて、熱くて、オレの口の中で張りつめていたのに……っ)
先程までの熱情が急激に醒めていき、むなしさが身を包んでいく。
「ほんとに……わりぃ…」
下着とジャージを一緒に上げて、純が去ろうとする。
今度は呼び止める力が湧いてこない。
「…純さん……好きな人って
……哲さん、ですか…?」
絞り出すような声で聞いてみる。
「……」
「純さん…?」
「言えねぇ……
言えねぇのが、答え、だ」
純は、そう言って、振り向きもせず歩いて行く。
足音が、完全に消えても、御幸は立ち上がれずにいた。
さっきまで!
あんなに熱かったのに!
あと少しだったのに!
あんなに…
なのに、何で、
何で すり抜けていった?!
何故だ?何故?!
地面にうずくまるようにアタマを抱える。
後悔に苛まれる。
「 拒まれるなんて思いもしなかった…
だって、オレだよ…?」
自嘲気味に呟くが、いつしか、涙が溢れてきて
声を殺して泣きじゃくる。
好きなのに!好きなのに!
…どうして…どうして…?
いくら自分に問い質しても出ない答を見つけたくて
ただただ、涙にくれていくーーー
純の心が、固いプラスティックの箱の中に
仕舞いこまれてしまったように思えた…。
おしまい
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