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〃 ④
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「ああ、そうだな。ホラ、純」
「……う、うん」
「どうした? 言い出したのは、純だぞ?
指切り しないのか?」
「す、するよっ……すりゃ良いんだろ?! 」
「何で純が怒るんだ?」
「怒ってねぇよ、バカヤロー!」
(照れくさ過ぎるんだよっ)
「? 変なヤツだな」
「「♪ゆーびきり げんまん
ウソついたら、針千本、のーますっ♪」」
(哲と……小指が絡み合ってるだけなのに、
オレ、嬉しくて たまらないっ
…なんでだ?キスもセックスも知らない訳じゃないのに…
哲の前だと初心(うぶ)なガキみたいだ……
顔がニヤける…ヤバい…耳が熱い…っ)
「何で、下を向くんだ? 純 」
「う、うるせぇっ、見つめあって指切りなんて、
ハズイじゃねぇかっ」
「オレは、平気だけどな」
(、だから、どうして、哲!
お前は そういう事を言って期待させんだよっ
オレは……オレの想いは、しまいこまなきゃ
いけねぇんだ。
心の中のずっとずっと奥の 底の方に しまいこんで…カギを掛けて……!
だけど、残ってるんだ。
ちくり、とトゲ が。
そのトゲを つつくような事は しないでくれ……)
「…あいつらは負けないと良いな、哲 」
「ああ。…もう指を離しても良いか? 純 」
「 ?! いつまで つないでんだよっ」
「純が離してくれないから…」
「ちげぇっ! 」
(ヤバいヤバい、小指が…つないでた小指が、
ジンジンして熱いっ)
「あいつらは負けないさ」
「哲…」
「オレ達も負けていられないぞ、純 」
「そう……だな。取りあえず、目の前のこと、
しっかり やらねぇと、な 」
「純は勉強だな 」
「だあっ!それを言うな! 」
「ははは 」
(良いんだ。これで。良いんだ。
哲への想いは、秘めて秘めて…
近くに 居られれば、それで良い。
この小指の熱さを…
忘れないでいたい。
いつまでも……
哲。
………やっぱり、好きだ……)
おしまい
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