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〃 ⑤
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よく考えたら 分かる事だ。
同じクラスで、同じ野球部で、
いつだって一緒にいた。
いつだって見てきた。
良いこと、悪いこと、
悲しいこと、楽しいこと、
悔しいこと、嬉しいこと、
全部 分かち合ってきた。
純が元気で吠えているコトが当たり前で、
傍にいることが、一緒にいることが、日常だった。
御幸にキスされた時の、あんな顔の純は、
見たことがない。
オレの知らない純を、御幸は知っている。
それに腹が立ったのかな。
知らない純を見せられて、純がオレの手の届かないトコロに行くような……?
春市に友達が出来て、そいつらと遊びに遠出した時の焦りのような…?
自分の想定外のコトに混乱したのかも知れない。
オレは、仲間や弟や、近しい人のコトを掌握していたいのだろう。
多分、そういうコトだ。
……………………………………………………………………………………………
そんなコトを思いながら、オレは随分と長い間、
御幸を見ていたらしい。
さすがに御幸が気づいて聞いてくる。
「……亮さん、オレ、何かしましたか…?」
「別に。毎日、よく来るな~と思って」
「ホントに飽きもしねぇで、よく来るよな ダハハ」
……そう言う純も、嬉しそうじゃん?ムカツク…
「目障り」
「は?」
御幸がヘラッと笑いながら固まる。
「毎日、目障り。早く消えてくれない?」
オレが いつもの笑顔でサラッと言ってやる。
「あ、じゃあ今日は この辺で……
って、こんな時間?! やばっ」
…全く。時計くらい見なよ、キャプテン。
御幸は、ケガも良くなって、冬合宿も乗り越えて。
今は1月。
走り込みやウェイトトレーニングが中心だけど、
ここを疎かにしては いけない。
「アイツも慌ただしいなぁ」
純が、教室を出て行く御幸を見ながら呑気に言う。
「純のせいでしょ」
「な?! 」
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