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〃 ⑦
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あーーー!
これでオレも認めざるを得ない。
これ以上、人間関係を ややこしくして
どうするんだ?ってハナシだけど。
オレも純が好きなんだ。
ずっと、好きだったんだ。多分。
卒業までの短い間に、進展させよう なんて思わない。
オレにキスされて、心底 驚いている純が可愛い。
「亮介……」
「…気の迷いだね。
……でも、このまま御幸に持っていかれるのは
シャクだ」
オレは、いつも通りニコリと笑って純を見る。
今頃、自分の気持ちに気づいたって、どうしようもない。
純を困らせるだけ、だ。
「卒業したら忘れるよ」
そんなの、嘘だ。
純に負担を感じさせないように、その場しのぎの
でまかせだ。
でも、お願い。今だけは。
もう一度。今度は、さっきより長く唇を合わせる。
純も分かってくれたらしい。
拒まずに、唇を任せてくれる。
一時の感傷で。気の迷いで。
でも、この事で オレは純の記憶に残る事が出来るだろう。
卒業しても忘れない。決して。
3年間ひたすらにボールを追い続けた日々。
夏の苦い敗戦。
そして、恋心。
心の中に涙が流れているようだ。
唇を離しても、純とアタマを寄せ合いながら、
じっとしていた。
冬の陽が落ちていく。
オレの恋は これで終わりだ。
言葉にしない恋なんて、そこら中にあるものさ。
おしまい
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