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軽くノックをして、戸を開けて見た
「あ、あの…智也…」
なに声が震えてんだ俺。
相手は智也だ。
こいつより上司のが全然怖えだろ。
「なに?」
あ、返事…してもらった。
どうやら俺と同じ事をしてたらしい。
ベッドに横になってスマホを弄ってた。
「部屋の暖房が壊れちゃって…」
「ここで寝たいって?」
なにそのあからさまにうざそうな声。
久々に俺を見たと思ったら昔のような笑顔はなくて、ただなんでもないような顔をしてた。
「お、俺床でいいから」
「いや、別にいい。一緒に寝れば?」
あっ…
やばい。
歓迎はされてないけど、一緒に寝てくれるんだ。
つまり俺はまだ嫌われてはないってことだよね?
「まくらと毛布はもってきなよ。お前人の毛布すぐ取るから」
「あ、うん。持ってきてるよ」
「そう。んじゃ勝手にしてって」
「うん。ありがとう…」
そろそろと智也の隣までいって、少し遠慮してやや端っこの方にまくらを置いてベッドに入った。
そういえば前はこのベッドで二人で寝てたんだよな…
同居し始めた時智也が
「広いベッドにしようぜ」
とか言い出したからこのベッドにしたんだった…
理由は「広いほうがエッチしやすい」からだと。
でも今はそんなの関係ないか。
多分今は「一人で寝るの広くていいわー」とか思ってんだろ。
だから端っこで寝る。
俺が邪魔な事はわかってるけど、できるだけ俺の存在をこのベッドから消せるために。
「押しかけてきてごめんね。明日修理に出すから」
「ああ」
「…っ」
今日は抱き締めてくれないの?
って聞きそうになった。
隣同士なのに、まるで一人。
好きな人が、恋人が隣にいるのにいないような気がして、
でもそれでもいつもより近くに居るから、
悲しいのに嬉しくて、泣かないように必死に眠る体制に入った。
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