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俺があいつと知り合ったのは、大学の時だった。
普通科の俺たちは同じ時間に同じ授業を受け、同じサークルに入り、自然と仲良くなった。
最初は近寄りがたい印象があったけど、それはあくまでただの印象だけだった。
少し猫っ毛の綺麗な黒い短髪に、スッとした、綺麗な流し目。第一印象が『綺麗』な男性だった。
同じ男として、こんなに綺麗に男もなれるのなーくらいにしか思ってなかった。
でも俺の、あいつへの見方が変わったのは、休み時間に、あいつが誰かと電話してたのを聴いてしまってからだ。
盗み聴きが趣味とかじゃないんだけど、なんとなくいつも冷静で、大人しい、控えめなあいつが凄く嬉しそうな…綺麗な笑顔で喋ってるのを見て、もちろん最初は「彼女かな」って思ってたけど、
なんとなく電話の向こうの声が聞こえて、それが男性の声だったから…
こいつは、
堀川ゆうきはゲイだと知った。
別にゲイだろうとなんだろうと俺には関係なかった。
なんとなくある日飯に誘って、くだらない愚痴とかそういう話をしていたら、堀川が
「俺さ、男と付き合ってるんだよね」
と自分から言ってきたから、やっぱり堀川は優しい奴なんだなと思った。
だって、「仲良い奴に、隠し事はしたくないんだ」が理由だったから。
「気持ち悪い?」
って聞かれて俺は
「全然。こんな綺麗な奴がゲイだろうなんだろう俺には関係ないよ。堀川は綺麗だから」
と答えた。
別に口説いてなんかいないけど、俺の目には、堀川が宝石よりも綺麗に見えたから、
大事にしたい
どんな気持ちが俺の中にできていた。
だから俺は、あいつが例の彼氏に大事にされてないと解って、決めた。
堀川に新しい幸せを…与えてあげたい。
堀川には、あの綺麗な笑顔が一番似合ってる。
そう思ったからだ。
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