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「んだよこれ……」
どういう事だ?
ゆうは…ここから出て行ったのか?
なんで?
なんで、何も言わないで…出て行ったんだ?
この指輪を…どうして置いて行ったんだ?
「ゆう…」
何が言いたいんだあいつは。
俺にどうしろって?
俺が…俺がなんかしたのか?
「おい!!!!ふざけんじゃねーぞ!!」
置いてある腕時計を掴み、部屋の角へと投げて付けたら、あっという間に破れてしまった。
あんなに大事にしてたのに?
毎日、必ず着けてたじゃねーか。
嬉しそうにしてたじゃねーか。
なのに、こんな…
こんなにアッサリ壊れてしまうのか?
8年間ずっと一緒に居た…
お互いの事なんか誰よりも知り尽くした仲なのに、俺は何一つお前の事を解ってなかったとか言うのか?
こんな…この時計みたいに脆い関係だったのか?
悲しさとか、そういうのよりも先に怒りに溺れ、スマホをとり、ゆうに電話をかけた。
「ふざけんな……」
「おい、ゆう」
何度も何度も掛け直しても、あいつは電話に出なかった。
「くっそ!!」
あいつはなんで居なくなったんだ?
こんなに綺麗に物が無くなってるって事は結構前から出て行く用意をしてたんだろ?
俺が嫌いになったのか?
一言も言わないで、何も言わないで、勝手に居なくなった?
はは、笑わすな。
「くそ!」
冷静になりたいのに、全然冷静になんかなれなくて、イラついたまま俺は部屋から飛び出していた。
向かう先は、ゆうの仕事場だ。
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