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俺は…ゆうと別れたつもりはない。
別れるなんて一言も言ってない。
別れたいって、独り言は言ってたが、本当に別れるなんて…
「入江なら知ってると思ってたよ。親友だっけ?」
俺よりもこいつの方がゆうの事を知ってるみたいな態度にも…腹が立つ。
短気な方じゃないのに、どうしてだろう。
今すぐ殴ってやりてえ気分だ。
「それで…堀川は?」
「うーん…実はね、ゆうきに…誰にも言わないでって言われてるんだ。特に入江にはって。」
「…理由は」
「理由?入江は…例のゆうきの彼氏さんの事を良く知ってるだろ?だからダメだって」
中山は…知らないんだな。
その例の彼氏が俺だって事を。
でもなんだ、こいつの目は。
まるで俺を嘲笑うかのように見つめる目は。
「その彼氏さん、凄く酷い奴だよな?ゆうきから聞いた?もう何ヶ月も口聞かないらしいし、セックスレス?みたいだし。しかも恋人の誕生日より友達と旅行行くの選んじゃったらしいんだよね」
なん…だ。
口聞かない?
なんの事だ。
セックスレス?
何を言っている…
俺は…
「でもゆうきはさ、まだそいつが好きとか言うし?」
まさか…
「だから俺が別れろって言ったんだ。ちなみにゆうきの居場所か…
ヒントだけど、昨日までうちに居たよ」
やっぱり…
「酷いよね…入江くん」
「てめぇ!!」
感情を抑えきれなくて、場所とかなんも考えられず目の前で笑ってる男の襟を掴み、殴りかかろうとした…が、
「セフレ…なんだよね」
そう、俺の耳元で囁いて…
「君のせいでゆうきは綺麗じゃなくなったんだよ。全部、君のせいだ」
「怒っていいのは…君じゃないよ」
彼の一つ一つの言葉に…今まで自分がしてきた事を思い出す。
浮気…そんなつもりはないけど先に他の奴と関係を持ったのは、俺だ。
別れたいと思ったのも俺だ。
面倒くさい、男の癖に面倒くさい、
男だから面倒くさい、
ホモだと思われるのが嫌だ、
ゆうの事を誰にも自慢できない、
子供もできない、
未来はない、
飽きた、
嫌いじゃないけど
好きじゃない
女の方がいい。
セックスも楽で気持ちいい
女だったら、未来がある。
だったら別れた方がいい。
そう思ってたのは…
全部俺だ。
「そろそろ休憩時間終わるから離してもらえないかな」
何も、言い返せないまま、俺は彼の襟から手を離した。
「今更後悔してもね……でも、もし話が聞きたいなら連絡して。今の俺は、君よりゆうきの事を知ってるからね。居場所以外は教えてあげるよ」
そう言って、俺の胸ポケットにスッと名刺かなんかを入れ、手を振りながらビルの奥へ歩いて行った。
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