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訳がわからない。
ごめんって謝られて、
忘れろって言われて、
俺が全部悪いみたいになって、
そして拾われた?
何一つ理解できなかった。
言いたい事も、あんな風に言いたかったんじゃないのに…
クソっ!
何もかもが、上手くいかない。
「え、今のって入江くん?」
「…」
「ありゃ、俺、悪い事しちゃったかな?」
混乱して、橘さんは後ろで何を言ってるのかわかんない。
解ったのは、今、俺と智也は正式に別れたってこと。
「堀川、中に入ろう」
肩を引かれながら部屋の中に入って、玄関にしゃがみ込んだ。
橘さんが汚いって言ってるけど、そんなのも関係ないほど、混乱してる。
なんでここに来たの?
別れるためなの?
俺と別れたかったの?
でもなんであいつのほうが傷付いた顔をしてたの?
理由が理由でも、俺がした事はそんなに許せない事なのか?
じゃあ、あいつは、楽になりたいからここに来た…んだよな?
謝れば、気が済むから?
「俺……そんなに智也を苦しめてたの?」
「堀川…誤解だ」
「誤解って…なんの?」
「入江くんは多分俺とお前が付き合ってるとか思ってるんだと…思う」
「はっ、バカじゃないの。別れてすぐに俺が他の男に着いてくとでも思ってんのか」
「まあ、そう…思われてるんだと…」
もし、そうだったら、俺はあいつを許さない。
あんなに、好きなのに?
バカみたいに愛してたのに?
なのに俺がちやほや他の男に着いてくって?
俺の好きを、信じてないって事じゃねーか。
なんの根拠も持たずに俺と橘さんが付き合ってるって思い込んでるなら、
俺はもう智也を忘れる。
俺の意見も聞かないで、勝手にそう思い込んでんならそれでもいい。
俺は、別にやり直したくもないってくらいの存在だったんだな。
「俺が、入江くんと話し合うか?」
「いいよ、もう…疲れた」
この人と付き合ってるって思ってるなら、もうどうでもいいでしょ。
あとはなにも言わなかった橘さんに縋るように、智也より小さい胸に擦り寄って、小さく、鼻をすすった。
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