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朝、俺は透が起きないように静かにベッドを抜けて、リビングへ降りた。
「あ、おはよ」
「おはよう。早いな」
リビングには、中山がもういて、そういえば風呂とか服とか出してなかったな…
夕飯も…
すごい申し訳ない…
「気にしないで。朝飯作ってくれる?」
「あ、うん…仕事…時間大丈夫?」
「今日は休むよ…でも気にしないでね」
「うん…中山、ありがとうな。お前が居てくれて良かった」
「そう?なら良かった…」
中山の事は、嫌いだったはずなのに、こいつは俺の事を解ってくれるんだ…
先にコーヒーを出して、朝飯は透と友美が喜ぶような物を作った。
食べてくんないかもしれないけど、もし食ってくれたら…俺はそれで充分だ。
あれ…
そういえば…俺、朝飯なんか作るのすげえ久しぶりだ。いつもはゆうが作ってくれてたし…
最後にゆうの手料理を食ったのは…あいつの誕生日か…
毎朝俺の為に作ってくれてたのに、俺はいつも「いらない」って言ってたんだな。
本当にバチが当たったよ。俺が食わなかったもんは捨ててたんだろうな。
今思い返せば、あいつすげえ痩せてたし、飯ちゃんと食ってたのかな?
俺の為に作ってばっかで、自分の分は?
最悪な、終わり方だ。
「入江、そんなに思い込まなくていいんだよ。楽になろう?ゆうきはね、もう入江の事忘れてるよ」
そう、俺の背中から腕を回され、耳元で囁いた。
まるで悪魔の囁きだな。その言葉を聴いただけで、まるで心臓を切り刻まれたみたいに痛んだ。
「入江、ゆうきの事なんか思い出さないでいいんだよ?君は、自由になればいいの」
彼の言葉が脳に直に伝わってくるような感覚。
何も考えられなくて、目の前が真っ暗になった。
「俺の言う事を聞いて?」
そう言いながら、俺の首に、ヒヤリとした、柔らかい何かが…触れた気がした。
「…あっ……」
そしてチクっと軽い痛みを感じた。
「中山っ…?」
「いいの、気にしないでいいんだよ……誰も君を想ってくれないんだろう?」
「…っ……はぁっ…」
漏れてしまう自分の声に気持ち悪いとかそういうのも思えないほど、俺の頭は中山の言葉でいっぱいいっぱいだ。
「誰も君を、必要としてないよ」
あぁ…
本当にそうだ。
お袋も、俺の事を想ってくれてたら、自殺なんかしないだろう。
家の面倒を見るのは俺になるんだ…
なのに死んだ。
弟も妹も、俺なんかどうでもいいんだろう。
俺は、仕事でもして金すら渡せば後は顔も見せないでいいって事だろ?
ゆうだって、俺はもうあいつを幸せにしてあげる事は出来ないってわかったからだろう…
俺が居ても苦しむだけだ…
俺は居なくなったほうがいいんだよな。
「入江…今、どんな気持ち?」
気付いたらシャツを胸の上まで上げられていて、後ろから胸と腹を弄られていた。
いつもの自分なら、こんなの気持ち悪くて殴り飛ばすけど…
何故か、『求められてる』そう思ってしまい、中山に体を完全に預けた。
どんな気持ちか…
たぶん…
「すげえ死にたいよ」
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