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最後では
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人が人生を諦めようとしてる中、
まさかのゆうから電話があった。
出なきゃいいのに、俺の中に残ったほんの僅かな希望が、俺の意思を無視して電話に出た。
「…ゆう?」
心臓がうるさい。
こんなに緊張したのはいつぶりだってくらい心臓がうるさい。
でもそんな俺の期待を裏切るように、電話に出た相手は…あいつだった。
『橘って言えばわかるか?』
橘…か…
そういえばそんな名前、ゆうから聞いたことあるな…
「俺になんの用?」
俺に嫌味とかか?
おいおい、最後にこんな最悪な思いとか願い下げだ。
『堀川が家に帰ってこない。連絡もないなんて可笑しい、心当たりあるか?』
なんで上から目線なんだよ。
ゆうの先輩でも俺はてめえの後輩じゃねえっつの。
つか何このデジャヴ。
「喧嘩でもしたんだろ、くだらねえ、切るよ」
痴話喧嘩を俺に言いつけるとか、マジで狙ってやってるんだと思う。俺なんかゆうにとっくに捨てられてるから、そんな変な警戒心示さなくてもいいのに…
それか、いっそ喧嘩したまま別れちまえ。
最高に性格が悪い発言だが、本心だ。
ゆうが、俺以外の奴と一緒にいるのは、気に入らない。
ゆうの隣は…俺のものだったのに…
そんなの、今更な事だけどな…
俺が先にゆうを手放したんだ、こんな事いうのは許されねえよな。
『待て!!!堀川に何かあってもいいのかよ!?昨日から帰ってきてないんだよ!』
ゆうも愛されてるなー。
一晩帰ってこないだけでこんなに心配されて…
冷静にいた自分とは全然違う。
ゆうが居なくても別にいいと思ってた俺とは全然…
「中山んとこだと思うよ…んじゃ」
『おい!!!』
中山も美味しい役割だよな…
親友としてゆうの隣にいつでも居られる。
ゆうが走る相手は、いつも中山だ。
まるで惚気話を聞かされてる気分になり、通話を終了した。
最後まで、世界は俺に優しくない。
「あー、なんか貧血気味っぽいの感じる…」
薬もまだ一錠しか飲んでないのに、さっそく効いてきたな…
これなら、楽に死ねるかもしねない…
「智也!!!!!」
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