アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
先に警察を呼ぶかどうか迷ったが、ゆうを病院へ連れて行こうと橘さんの車へ運んでいたら、バタッと中山も倒れて、どうやら中山自身もドラッグをやっていたんだと思う。
俺は、倒れた中山を放っておいて、そのまま助からず死んでしまえばいいなんて思ってるが、そんな事をしたら今度こそゆうに許してもらえなくなる。
いや、まだ許されてないけど…
でも、ゆうなら、中山を助けて、ちゃんと罰を受けてもらいたいって言うだろう…
病院に着いて、すぐに救急処置室へゆうと中山は運ばれた。
二人ともちゃんと息はしているから安心したが、それでもやっぱり怖い。人間の体が脆いのは俺が一番知っている。
短期間に俺の両親は死んでいった。
ただの交通事故で人は死ぬ。
首を吊っただけで人は死ぬ。
そう簡単に人は死ねるんだ…
後から医者に聞いたが、やはりゆうは危ない状態のままだった。
オーバードースってドラッグの種類で効果が違うが、そのまま心臓を止めるくらいの事はできるらしい。
あと数時間遅れたら、間に合わなかったとも言われた。
薬で、狂わせて死なせる。
実に中山らしい…
血圧剤で俺を死なせようとした理由がなんとなくわかったよ。
警察にはすでに連絡を取って、俺と橘さんは一度警察署にまで連れて行かれ事情を説明した。
ドラッグ関係は罪が重いらしい。
中山に逃げ場はもうなくなった。
そして、3日が経った…
仕事前と帰りには必ず病院に通い、ゆうの調子を確認する。
まだ、一度も目を覚ましてない…
医者によると、薬がまだ回って、全身麻痺しているらしい。
そして、死んだように眠っているゆうを見ると、俺の悪い癖が出てしまう…
もし、もう二度と目を覚まさなかったら…
そんな考えが頭をよぎる。
そんな事はないって医者も言っていたが、医者が100パー当たるわけでもない。
万が一…
「あー、だめだ…考えるな、俺。」
寝たっきりの、愛おしい人を見るのは、これで三度目…今回はまだ息をしているが、俺からしたら、全てがトラウマだ…
それでも、ゆうの事だけは信じたくて、震える手を思い切り握り、会社へと向かった。
夜には目が覚めていて…と祈りながら。
入江side end
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 247