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チームメイト。
なんだかしっくりこないが、納得はしている。
なんとなくこんな奴、チームにいたような気がする。
「本当にごめんな、記憶喪失って医者には言われてなかったけどな…倒れた時頭でも打ったのかな?」
「ゆ……堀川は休んでればいいんだよ。なんか欲しいもんある?」
チームメイトの、こいつと俺は、部活以外で絡む事があったのか?
なんでこんなにも俺の事を思ってくれるんだろう。
社会人になってから、高校の奴らと顔なんか合わせて…
あれ?
あったような気が…する …
「おい、大丈夫か?」
「あ、ああ…」
深く考える度頭痛が俺を襲う。
考えれば思い出せそうなのに…心のどこかで、考えたくないと自分が言っている…
自分が自分を全力で阻止してるかのように…
「もう寝ろ、寝たら頭痛も治るよ」
「いや、起きたばっかじゃん!」
「寝る子は育つっていうじゃん?」
「いや俺はどう見ても子供じゃないだろ」
「そうか?」
「何それうっざ………あっ」
ついいつものノリでそんな事を言ってしまったのに気付いて、慌てて入江のほうを振り向いたら、彼は可笑しそうに笑ってて…
その笑顔が綺麗で…つい言葉も出てこなくなった…
「ん?俺の顔になんかついてる?」
「あ?え?あ、ああ、いやなんでもない、ごめんジロジロと」
「変なの」
まだ笑ってる彼の目が、本当に嬉しそうに見えるのに、彼の影が、寂しそうにしてるのは何故だろう。
入江とはチームメイトだったらしいが、今の俺からしたら初対面の人なのに…何故か、彼に興味を持ってしまってる。
彼の話を聞きたい、彼の色んな表情を見たい…
彼の…泣いているような影を消して、笑顔にしたい…
あ、また変な事を考えてる。
初対面なのに興味津々とか一目惚れかよ…
元々ゲイだけど、俺には恋人が………
「ぁっ…」
「え?どうした??」
「はぁっ……あっ、苦しっ……」
「落ち着け、ゆっくり息をーーー」
酷い頭痛と同時に息苦しくなり、目の前がチカチカして、貧血っぽい感じがする。
あ、入江に迷惑かけちゃう…
ダメだよ、入江に迷惑かけちゃダメ…
嫌われ……ちゃう…?
「堀川!!」
頭にチラつく、『何か』。
それがなんだか思い出せないんだけど、入江の声を聴くたび頭が痛くなるのは…
何故だろう。
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