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帰り道、南は久々の部活はどうだったか気にしていたようで会話の中にちょいちょい挟んできた。
周りの反応も別に当たりがきつい訳でもなく、弓道に集中もできて正直楽しかった。
明日もまた部活へ行こうと思うとその意思を告げると南は嬉しそうに笑った。
「皆、賀川が来ると喜ぶぞ〜」
「それはどうも」
「俺だって嬉しい」
「・・・それはどうも」
ニコニコ上機嫌の南に賀川も自然と笑顔になる。
もうすぐ駅に着きそうな時にスーツ姿の40歳ぐらいの男性と30歳ぐらいの女性が声をかけてきた。
「君、君〜!!!そこのかっこいいお兄さん!」
女性の方は首からカメラをぶら下げていた。
「お兄さん、凄いかっこいいねー。写真撮らせてくれない?雑誌に載せたいんだけど」
女性が名刺を賀川に渡そうとしたが賀川は困ったように笑って断った。
「すみません。俺、こういうの興味ないんで。連れもいるんで失礼します」
慣れた断り文句を言うと南の腕を引っ張ってその場を足早に去った。
後ろの方で女性がえぇーーーっと感嘆している声が聞こえたが賀川は振り向きもせず駅へ向かった。
「賀川、凄いなぁー」
腕を引っ張っられながら南が言うと賀川は溜息を吐いた。
「何も凄い事なんてないですよ」
「いや、凄いよー!アレって超人気のメンズ雑誌じゃん!名刺に書いてたよ!それにあのスマートな断り方。かっこいいなぁー」
「・・・あんたのその素直なとこ本当凄いですね。前に友達と同じ場面に出くわしたけど、あんたみたいな態度じゃなかったから」
「なに?僻まれた?」
「・・・まぁ、そんな感じです」
「同級生だったらそうなるんじゃないか?俺も同級生だったら僻む!アイスの一つでも奢らせる!」
「先輩らしいですね」
あははと笑う賀川に南は何で笑われたのか分からず首を傾げた。
二人は駅へ着き電車に乗って色々と他愛のない話をして帰った。
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