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部活が終わり、南は結局一日顔を出さなかった賀川を気にかけていた。
もう、部活に来ない気かな・・・
自分のせいとかではなく単純に賀川に会えなくなるのが嫌だった。
でも、それは自分の我儘だと分かっているから口に出せない。
そんな気持ちでモヤモヤしていると佐々木が頭をポンポン叩いてくる。
「なんだー?お前、今日一日ぜんっぜん元気ないじゃん?例の話?」
「・・・・・・うん」
小さく頷く南に佐々木が苦笑する。
「帰り、カラオケ行こうぜ!」
自分を励まそうとしてくれている佐々木に南は素直に甘えた。
「ありがとう。時計台んとこの近くのカラオケ行かない?割引券あるんだ」
「よっしゃ!ガンガン歌うぜー!」
二人は力いっぱい歌を歌いまくり、カラオケボックスを出た。時刻は19時になっていた。
「久々にあんだけ歌ったー」
「俺もだよ!でも、スカッとしたなぁ」
何も考えずに大声を出しまくったせいか南の心は少し晴れていた。
「佐々木、誘ってくれてありがとう」
佐々木が誘ってくれなかったら家に帰ってまたずっと塞ぎ込んでいたと思う。
「どーいたしまして!って・・・・・あれ、賀川か?」
「え!?」
体を伸ばしていた途中に佐々木が目を細めて時計台の下を見つめた。
賀川は女の子と手を繋いで笑っている。
南の心臓が大きく跳ね上がった。
「あいつ、部活サボッて女とデートかよ?」
佐々木が許せんっ!とボヤいているが南は賀川から目が離せなかった。
心臓が早鐘のように鳴りだす。
「か、彼女かな・・・・・・?」
絞り出す様に小さな声で聞く南に佐々木が欠伸をしながら答える。
「さぁーなぁー。まぁ、あいつモテるしなぁ〜。彼女じゃね?」
「・・・・・・・」
「南?」
佐々木は南の様子がおかしいと思い顔を覗き込んできた。
「ど・・・、どうした?お前、泣いたりして・・・」
佐々木の言葉に南は自分が涙を流している事に気付いた。
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