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お金を積んでも買えないモノ。
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松川のバイトが終わるまで、スタッフルームで待たせてもらっていた。
「お疲れ様でした~」
『お疲れ様~、帰り気をつけてね』
「あ、はい。」
そんな会話が飛び交う中、俺は、松川が、俺に話したいことってなんなんだろう?と考えていた。
「お待たせ。」
頭上から、松川の柔らかな声が聞こえて、さっきまでの街中をブラブラしていた俺の心は、なんだかあったかくなった。
「お疲れ。お前、バイトとかしてたんだな。全然気づかなかった。」
俺は、少し笑いながら、口にした。
松川は、真剣にな顔つきになった。
「欲しいモノがあるから。」
と言った。
「そんなに高けぇの?」
少し、松川の真剣な顔を不思議に思って聞いてみた。
「うーん…。それが、何円かわからないんだよね…。何円出しても、何円でも、買えない気がするんだ。」
松川は、悲しそうに言った。
「でも、欲しいんだろ?なら、頑張ったら、いいんじゃないか?」
「そんなこと言ったら、俺、頑張っちゃうよ?」
そう言って、背筋をピンと伸ばし宣言した、松川を格好いいと思ってしまった。
「……?おうっ!頑張ればいいんじゃない?松川らしくない!」
俺は、背中を軽くパシッと叩き、前に押し出した。
「俺らしくない……か…。そうだよな、俺、やれば出来るしっ。」
そういった、松川の目には、迷いはなかった。
でも、値段がわからない欲しいモノってなんだろう?
「で、お前はなんだ?花巻。」
「あっ!そうそう!忘れてた。」
これからが、俺の新しい一歩。
松川に、相談して、新しい未来へ、踏み出して行く。
だから、だから……………
いつか、後悔させる位かっこ良くなるから、見てろよ、岩。
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