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親友からの告白
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「そこ、座ってて」
東雲に指定されたふわふわソファーに腰かけ、ぐるりと家の中を見渡した。
壁に掛けられている賞状を見ると、どれも東雲裕希の名前だ。
奥を見るとトロフィーなどが飾られている。何度見ても凄いな、と思ってしまう。
「なにそんな見てんの?ほら、ジュース」
「ああ、ありがとう。いや……何度みても東雲は凄いなと思ってな」
素直な感想を言いながら、手渡されたオレンジジュースを飲む。
こくん、と喉を鳴らすとじわり、じわり、と潤っていく。
あー……喉が渇いていたからか美味しく感じるな。
「……それよりも俺の話、聞いてくれるんでしょ。してもいい?」
「え?あ、ああ。そうだったな……」
忘れていた。数秒だが、その話の存在を完全に忘れていた……
「改めて言うけど。俺、椿が好きだよ」
そういえば俺は東雲に告白されたんだった。今更だが自覚なんてなかったな。
やけに真剣な顔で言うせいか、じわりと変な汗が流れた。
「あ、ああ。それはありがとう……」
「気持ち悪い?」
「え?いや、それはない」
キッパリと俺が言うと、東雲は少し目を見開いた。
「同姓の恋愛に偏見はない。好きになるのは自由だ、俺は別に問題視はしていない」
「……へぇ」
「だ、だが、その……東雲は俺がす、好きなのだろ?今までそんな風に見たことは無かったし、いきなりで驚いている。
その、俺は東雲を親友だと思っていたし……」
そう言葉を手探りで選びながら、ゆっくり伝えていると、椿がそっと俺の頬に触れた。
「好きか嫌いかじゃ、俺はどっち?」
藍色の瞳に俺が映る。
普通の顔だ。平凡男子そのものだ。そんな俺なのに、どうして東雲は好きになったんだ?
「椿、言って」
「え?ああ……そりゃ好きだな。東雲を嫌いだと思ったことはない」
「……ほんと?」
「ああ。でもそれは友情の好「好きなんだ、そっか。椿も俺の事、好きなんだね」」
東雲はにっこり、と嬉しそうに笑った。
何だか嫌な予感がしてならない。変な汗が背中をたらり、と流れる。
「し、東雲、俺は……」
ぐらり。
視界が揺れた。なんだこれ、どんどんぼやけていく……
世界が回っているようだ。いや、実際に世界は回っているのだが……
そうじゃない、意識が……朦朧と、して……
「しの、のめ……何を、」
暗くなっていく視界。俺はゆっくりと意識を手放した。
「俺も好きだよ、椿」
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