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嫉妬は程々に
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「そこのベットに腰掛けて」
俺が中に入ると東雲はそう指示した。ここは大人しく言うことを聞くしかない。
今日は先日と違って拘束はされていない。ならば逃げられる、大丈夫だ。はははは……大丈夫だ。
カチャンッ。
そんな音が誰も居ない保健室に響いた。
「し、東雲?今何を……」
「邪魔されたくないからね。鍵、掛けたんだよ」
「へ、へぇ!そうか!そうか!」
逃げ道をさりげなく塞がれているだと……!?なんと言う無理ゲーだ!通路はもう東雲のテリトリーと化しているじゃないか……っ!
俺はキョロキョロと保健室全体を見渡す。
くっ、何もない。見事に脱出できる場所がない。
「どうしたの?キョロキョロして」
「えっ、あ、ああ。保健室に入ったのは初めてでな!」
「そっか。椿の初めては俺かぁ」
「その耳はどうなっているんだ!?保健室に入ったのが!初めてだ!」
必死にそう訴えるが、奴は初めては俺だね。うんうん、と意味の分からない事を繰り返す。恐ろしい。恐ろしすぎるぞ、東雲!
「じゃあ、まずはお話しよっか。椿、何で他の奴と仲良くしてんの?」
俺の隣に腰かけると、やけに優しい声色でそう言ってきた。
「こ、小島くんとは委員会が同じなんだ。それがきっかけで、な」
「そっかそっか。じゃあ、みっちゃんって何?」
「それはこ、小島くんが勝手に呼んでいるだけだ……」
「ふぅーん。じゃあ、椿は嫌なんだよね?みっちゃんって呼ばれるの」
「え?いや別に嫌では……」
ぎらり、と東雲の目が光る。怖い。
「す、少し嫌だな、とは」
「そうだよね。椿は嫌だよね!」
その言葉が正解ルートだったのか、東雲は一気に表情が明るくなる。
思わずホッと一息つくと、ギシッとベットの軋んだ音が耳に響いた。
「椿、キスして」
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