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それは×××の思い
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君が消えたあの日は…雨が降りそうな薄暗い空だった。
「きっと二人で幸せに…」
そう言って君は言葉を濁しながら歪な笑みを浮かべた。
そして君は突然、僕の前から消えてしまった。
辛くても、苦しくても君がいれば僕は幸せだったのに。
君は僕の光だから、君がいなくなってしまったらこの暗い場所で僕は何も見えなくなってしまう。
広くて狭い闇のなかで僕は探した…
だけどどれだけ探しても、君はどこにもいない。
確かに君はそこにいたのに。
一人だった僕はいつの日か、彼に助けられ…君に救われたんだ。
荒んだ心で、沢山の言葉で君を傷つけた。
それでも君は僕に笑いかけてくれた。
それから僕と君はいつも一緒に過ごしてきたんだ。
いつまでも一緒に笑いあえるとずっと、ずっと。
そう思っていたのに…
彼は僕を見下ろして嘲笑う。
「お前はまた一人だ」と、「捨てられた」のだと囁きかけた。
影は僕に言った。
「信じてあげて」
いつのまにか空には雨が降っていた。
なぜ、どうしてと。
ぎゅっと目を瞑ると涙が落ちた。
もうそこは悲しいひとりぼっちの世界。
君がいない日々は酷く寒いんだ。
僕は寒さで凍えそうだ。
静寂は僕を孤独にさせる。
影は言った。
「一人じゃないよ」
本当は知っていた。
君が消えた理由も全て。
君はいつだって僕の味方だったのに。
大丈夫だよ。僕は君を信じ続ける。
君は優しいから。
なにも言わず消えた君。
いつだって僕は君の味方だよ。
君は僕の希望だから。
君は僕の唯一だから。
僕は君が大好きだ。
彼は僕に囁いた。
「お前に選ばせてやろう――…さあ、選べ」
それは悪魔の囁き。
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