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両片想い-fjhr-
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俺には好きな人がいる。
中学の頃からずっと片想いしている人が。
その人は男なんだけどとても可愛らしくて純粋で優しくて。
その全てが俺は好きだった。
でもつい先日、最俺のみんなと飲みに行った時に聴いてしまった。
『ヒラはホモとかどう思う?』
『んーまあその気はない、というか興味ないんだよね』
『そ、そうだよなー』
俺は咄嗟に『俺も興味ない』と言ってしまった。
この時から俺の恋は終わったと思った。
告白をする前に失恋という最悪な展開だ。
告白する気もなかったけど。
告白したところでキモいと言われて終わりだ。
友情関係も壊れるかもしれない。
こーすけに相談をしたら、
『告白しちゃえば?ヒラならキモいとか思わないと思うし友情関係も壊れないと思うよ』
って言われたけど俺にはそんな勇気はない。
俺は弱虫だ。
何故か今日、ヒラと会う約束をしている。
俺の家で、だ。
なんだ、この神様の悪戯は。
インターホンがなる。
「はーい」
「よっ」
「入って入って」
彼は迷いなくどんどん家の奥に進み、リビングのソファーに座る。
「今日はどうしたの?急に会いたいなんて言って」
そう、ヒラから会いたいと言ってきたのだ。
そんなこと言われたら少し期待してしまう。
「話したいことがあって…」
「話したいこと?」
「あ、あのね?」
「うん?」
そんなに顔を赤くしてたら少し期待が膨らむじゃん。
期待…してもいいのかな…?
「俺、フジのことが…好き…なの」
語尾にいくにつれて小さくなる声。
だけど俺にはちゃんと聴こえた。
「ヒラ?それ本当?」
「こんなことで嘘ついてどうするんだよ」
「嬉しい…俺もヒラのことが大好き」
あまりにも嬉しくて思わずヒラのことを抱きしめていた。
「でもヒラ、ノンケじゃなかったの?ホモには興味ないって」
「フジにしか興味ないの」
その言葉だけでも嬉しくて更に強く抱きしめていた。
「フジぃ、苦しいよぉ」
「ごめん」
2人で見つめ合って微笑んだ。
あぁ、今すごく幸せだ。
片想いだと思っていたのは両想いでした。
11.23
両片想い-fjhr-【完】
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