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当たり前-kyrt-
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「……さん、…トさん、レトさん!」
「うっさい、キヨくん」
「何回呼んでも返事なかったからさ」
俺の隣には当たり前のように彼はいる。
この関係はいつまで続くのやろう、って考えてしまう時がある。
「それで…用事はなに?」
「なんか今日のレトさん、怖くない?」
「いつも通りやろ」
「いつも一緒にいる俺には分かる」
無意識で怖くなってしまってるんやろうか。
「もしかして…俺のこと、嫌いなの?」
キヨくんの口からは突拍子もない言葉が出てきた。
しかもそんなに悲しそうな顔をして。
「そんなわけないやん」
きっとキヨくんは友達として聴いてきてるんや。
そう思うと悲しくなる。
「よかった」
そんな笑顔を向けんでや。
もっと好きになってまうやろ。
「俺、レトさんのこと大好きだからさ!」
「うん?」
俺の視界にはキヨくんの綺麗に整った顔がいっぱいに広がっていた。
「俺の大好きはこういうこと、分かった?」
キスされたんだと程なくしてようやく分かった。
理解してから顔に熱がたまるのが分かった。
「キヨくんのばかっ!普通に言ってや!」
「普通に言っても鈍感なレトさんはきっと『友達としての好きなんや』って思ってそうだもん」
キヨくんにはバレバレか。
俺には態度で示さないと分からないと思ったなんともキヨくんらしい解決策。
「それにレトさん、俺のこと好きなのバレバレだから」
「えっ!嘘?!」
「本当」
なにもかもキヨくんにバレバレやった。
「これからもよろしくね、レトさん」
「よ、よろしくな」
彼は、
当たり前のように遅刻をする。
当たり前のように俺の家に来る。
当たり前のようにソファーに座る。
当たり前のようにゲームをセットする。
当たり前のように俺の隣で一緒に実況を撮る。
当たり前のように俺の隣で笑顔を見せてくれる。
俺の当たり前に一つ増えた。
11.25
当たり前-kyrt-【完】
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