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何の日?-absp-
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「セピアさん、今いい?」
『ごめん、今忙しい』
彼に電話をしてもいつもいつも忙しいと言われてしまう。
俺のことはもう好きじゃないのかな。
今日こそはと思ったんだけど。
ウジウジしてても仕方ないしお酒でも飲んで忘れちゃおう。
そう思い、冷蔵庫を開けると今日に限って氷結を切らしていた。
「うわーまじかー。面倒だけど買いに行くか」
外は生憎の雨。
春らしい暖かな気候が続いてたと思ってたのに雨だよ。
まるで俺の今の感情みたい。
「はぁーセピアさんに会いたい。こんなこと言うなんて俺もすっかり女々しくなったな」
「アブさんらしくていいんじゃない?」
「へ…?」
声のした方を向くと、びしょ濡れになったセピアさんが立っていた。
「どうして?」
「アブさんに一秒でも早く会いたくて急いで仕事切り上げて走ってきた」
「とりあえず家に入って。タオルとか着替えとか用意するから」
俺はセピアさんを家の中に招き入れ、タオルと着替えを渡した。
セピアさんは着てきた服を脱いで俺が渡したセピアさんには少し大きめの服を着る。
「アブさんの為に氷結も買ってきたよ」
セピアさんはほんと気が効く。
「最近、中々時間取れなくてごめん」
「仕事だもんね。しょうがないよ」
セピアさんと見つめあってどちらからともなくキスをする。
「今日はどうしても会いたかったんだ」
「なんで?」
「今日は_____」
セピアさんが耳打ちで教えてくれる。
その言葉を聴いてすごく嬉しくなって会えなかった分、セピアさんを強く抱き締めた。
“今日は好きな人と過ごす日だから”
2016.4.4
何の日?-absp-【完】
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