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君への嘘/VALSHE 赤司×黒子
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黒子side
赤司くん……
後どれくらいでこの関係は続くんですか?
いつまで君はこのままでいるつもりなんですか?
いつまで僕は……
´彼´の代わりなんですか……?
その問は彼に問うことなく、自身の胸の奥にしまいこんだ
君に捨てられないために……
赤司くんと付き合って5年が過ぎ、僕は22歳になった
赤司くんに告白されたのは高校2年生の時だった
五年前────
僕が高校2年生の春、帝光中から想いを寄せてた赤司くんに告白された
あの時の僕はすごく嬉しくて、泣いたのを覚えてる
あの時、君は僕の頭を撫で、
「テツヤ、泣かないでくれ」
そう言って優しく僕を抱きしめてくれた
あれからもう5年が過ぎ、実感は未だにない
けど僕は……
この5年で、君の本当の気持ちに気付いてしまいました
当時、赤司くんが通ってた洛山高校に僕と同じ´影´の選手がいた
名は、黛千尋────。
赤司くんの本当の好きな人
何故、今僕と付き合ってるのか?
それは、黛さんが卒業式の日、赤司くんは告白した
がフラれ、彼の恋は終わった
そして少したった頃、彼は僕に告白をする
当時の僕は気づかなかった
けど今なら分かる
彼は僕を´利用´し、同じ影で影の薄い黛さんと僕を´重てた´と――。
その事実を知った今でも、僕は君の隣にいた続け、彼に対する´好き´という気持ちは溢れてくばかり
君の本当の気持ちに気づいてても僕の気持ちは変わることは無い
そんな僕は可笑しいんでしょうかね……
けどいつしかは、曖昧なこの関係は´いつかは壊れる´
それもひとつの結果だと……心のどこかで思ってた
でも、君がいつか僕に別れを告げる日が来たら?
君が僕を捨てて、黛さんの元へ行ったら?
『 僕は僕のままでいられるだろうか────?』
『 君がいない世界で僕は生きていけるのでしょか?』
僕の中で2つの疑問が僕の心を揺らがし、不安が僕を包み込む
僕自身の中で辿りついた1つの答えが現れる
これが君を解放できる´最終手段´であり、僕が新しい道へ行くためにも……
テーブルの上に置いてあった携帯を開き、着信履歴から赤司くんを探し、通話ボタンを押した
プルルルルプルルルル
「テツヤ、どうした?」
「夜遅くにすみません
……君に話したいことがあるんです」
「話ってなんだい?」
その問に一瞬躊躇いを覚える
けど、僕は決めた
もう、迷わない────
今から赤司くんに嘘をつきます
今までつかなかった、たった1度の君への嘘を───
ひとつの深呼吸をする
スゥ……
「赤司くん、僕達別れましょ?」
「……、テツヤ
それはどういうことだい?
僕は別れる気は無い」
「赤司くん、僕が気づいてないとでも思っていましたか?
五年前から君は、黛さんのことが好きですよね?」
「ッ────!」
「僕はずっと知ってました
君に利用されているのも、彼と重ね合わせてるのを────。
君はずっと心の中で、彼と違うことに気づき、僕と別れたいって思ってたんじゃないですか?」
「・・・・・初めから気づいてたのか?!」
「はい
……と言っても、すぐには気づきませんでしたけどね
ずっと、この関係を終わらしたいって思ってたんですよね?
終わりにしましょ、この関係を……
´もう、待っていなくていいんですよ´
この電話を切ったら僕達は終わります
君のことは心の底から´愛してました´……
さよなら」
赤司くんの返事を待たずに終了ボタンを押す
目に溜まっていた涙を零し、床に沢山零れる雫
僕は泣いた
小さな子供のように……
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
僕の鳴き声は部屋に響き渡った
通話の会話の赤司くんの言葉を思い出し、あることに気づく
本当は気付きたくなかった
知ってしまったら僕が壊れるって気づいたから・・・
そんなことを知らず、彼は僕の言葉をひとつも否定することなく、全部認めてたってことを────
心にもなく、そして優しくもなかった、君が僕に向けた言葉……
わかってた……
けど、僕はどこかで期待していたのかもしれない
君が僕のことを本当に´好き´って言ってくれる日が来ることを……
僕は来るはずがないと分かりながらも五年間待ち続け、望んでたはずの未来は、鈍い音を立てながら、君への気持ちが崩れ落ちた
赤司くんと付き合って5年
最後まで僕に振り向いてくれることは無く、彼は最後まで僕の心を乱していった────。
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