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赤司side
テツヤのマンションに辿り着き、インターホンを鳴らした
ピンポーン
だが、出る気配もなく、声を出してみた
「テツヤ!」
でも返事はない
留守なのか?と思いながらドアノブを捻ると鍵が空いていたのか、ドアが開いた────
その瞬間、俺の中で胸騒ぎを覚えた────
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
俺は靴を脱ぎ、急いでリビングへと向かった
「テツヤ!」
叫びながら電気をつけると、テツヤが荒れてたことを物語っているリビングを目の当たりにする
俺との思い出が沢山散らばり、写真は破かれ、テレビは割れ、ソファーは破けて羽がでてた
言葉が出なかった
それ程、彼に追い詰めていたことに改めて気づく
「気づけなくて、ごめんな……」
一言を残し、残ってる部屋を見ていった
だが、彼はどこにもいない
そして残す、彼の部屋
そこを開けるとテツヤがいた
そのことに、安堵のため息を吐く
「良かった……」
テツヤは、疲れたのか
自室の机の上に伏せて寝てた
徐々に彼に近づき、肩を叩く
トン――
その時
べチョッ
不気味な音が部屋に響く
「……え?」
オレは不審に思いながら、彼の肩を叩いた自分の手を見ると掠った部分に血がべっとりとついていた
「……は?」
その途端鮮明に聞こえる血の音
ポタっ、ポタっ――
俺の気はおかしくなった
だが、どうして血が流れてるのか
彼の上半身を起こした俺は目を見開いた
それは、テツヤが右手にカッターを持っているということ、自身の首をカッターで切ったということ
その事実を受け止められないままでいた
「ウソだろ……
なんで、テツヤ!!」
混乱し始めてく俺はただ、この事実に困惑していた
早く自分の気持ちに気づいていたら
俺が、お前の気持ちを利用せず´好き´って伝えてたら
千尋をきっぱり諦めてたら
こんなことにはならなかった
すべての原因は俺だ
ごめん、ごめんなテツヤ……
すると、机の上に乗っていたボールペンが滑り落ちた
コロン――
何が落ちたのか見ると黒いインクが入ってるペン
どうしてペンが?と思いながら机を見ると、俺あての手紙が一通置いて合った
俺はその手紙を取り、封を開けた――。
「赤司くんへ
僕は君が大ッ嫌いだ!
僕は君なんかいなくても一人でも大丈夫
サヨナラ
テツヤ」
その手紙は彼の最後の手紙であり、遺書のようなもので、その最後に´嫌い´と書かれてた
そのことに俺の心は痛んだ
俺は言われて当然のことをした
傷つく資格なんて俺にはない
大好きだった千尋を傷つけ、テツヤの気持ちを利用した
俺はなんて酷いことをしたんだろう――
俺は力なく床に崩れ落ち、涙を流した
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
気づくの遅くなってごめん
君を沢山傷つけてごめん
謝って済む問題じゃない
すべて俺が悪い
俺のせいで……、ごめん
俺は床に向けてた目を、再びテツヤに向ける
改めて顔を見ると、無表情が多かったテツヤが微笑んでいる顔だった
その表情は俺が好きだった彼の笑顔
彼の未来を閉ざしてしまったことにまた涙を流す
そして俺はテツヤの首にキラっと光るものを付けてるのが見え、その正体を見ると俺の瞳からまたあふれでた
それは、初めて体を重ねた日にプレゼントしたシルバーのネックレス
通されてるリングには永遠の愛と英語で掘られてる
さっきのリビングでは俺の思い出はすべて壊されていた
なのに、ネックレスだけ……
しかも´永遠の愛´と掘られてるネックレスを選んだのかはわからない
俺は手紙にふと目をやり、また見ると『大嫌いだ!』と書かれてる
そして俺ははじめて手紙の本当のテツヤの気持ちに気付く
これはきっと、お前が俺への最初で最後の嘘だと気付く
と同時に、泣き崩れる俺は一体何なのか?
恋愛は人を左右にするとは、本当のことだ
俺は取り返しのつかない事をした
そして心にもない、彼からの永遠の離別(わかれ)の言葉
当然受け止められない俺は、テツヤが死んだこの部屋で俺は未来を閉ざす――。
罪滅しなんかじゃない、俺はお前を愛してる
だから、せめてそっちでは笑顔で君を心から愛し、守るから
待ってて、君に会いに行くから……
end
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