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6(君への嘘続編)
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黛side
5年前のあの日、俺はある過ちを犯した
´あの日に戻りたい´と願ってももう二度と戻れない
俺も、あいつらも……
────
────────
五年前
事の始まりは、俺が高校3年の最後の行事だった
卒業式の後に、赤司に呼び出され、その場所へと向かった
すると彼の姿は既にいた
「単刀直入にいう
千尋、俺はお前が好きだ」
突然の告白に戸惑った
いや、相手が男だからという訳では無い
俺は好きな人がいるからだ
俺が想いを寄せてる相手は女じゃなく男
俺は相手のことを諦めることが出来なかった俺は、
「赤司、わりぃ……
俺、好きな人がいるんだ」
と断った
「……誰が好きなんですか?」
いうか迷った
でも赤司なら´大丈夫だろう´
それがあいつら2人を壊すとは知らずに……
「きゅう……
誠凛の黒子テツヤ」
「……!」
赤司は驚いた顔をした
でも俺は気にかけることもせず、
「だから、ごめんな……」
そう一言を残し、赤司と学校から別れを告げた
俺の進学先は旧型のいる東京の大学
もちろん、東京の大学に行くのは旧型……
黒子に会うためだ
想いを告げたい気持ちと、少しでもあいつの近い存在になりたい
あの時の俺は自分のことしか考えることしか出来ず、それぞれの思いに気づこうとさえ想わなかった
もしあの時、少しでも考えていたら違う未来を迎えられたのだろうか……?
三月最後の日
俺が東京へ向かう日、あいつらが送りに来てくれた
そこには赤司の姿もあった
ぎこちないが俺もあいつを見た
あの時、あいつの笑顔の裏に嫌な笑みを浮かべてるなんて、思いもせず、京都を後にした
あれから月日が流れ、一人暮らしして2ヶ月過ぎた
一番の目的の旧型と会うことも果たし、会う回数は日に日に増えていった
「黛さん、お待たせしてしまってすみません」
「突然呼び出しちまってごめんな」
「いえいえ、じゃあ本屋さん行きましょうか!」
俺達ははじめ、とてもという程中が悪かった
俺自身も高校の時と同じように嫌われるのだろうかと思ってた
が、俺達は¨読書¨と言う共通点があり、仲良くなるのは早かった
そんなことを繰り返しながら更に仲良くなり、今では遊べる仲までに至った
こいつと過ごす時間が増える一方で俺は一つの悩みが生まれる
¨告白のタイミング¨だ
あー、いつ告ればいいんだ?
タイミングって難しいな……
そんな俺の気持ちなど一切知らない黒子は、いつもと同じように俺と接し、笑顔を向ける
あー、クソッ
調子が崩れる……
だが、告白をする前にある事実を知らせられる
それは、俺がこっちに来た時からあいつは俺じゃない誰かと付き合ってたということ
絶対に名前を言わなかったが、¨恋人がいるんです¨と……
俺は胸が締め付けられた
既にお前が誰かのものになってるってことが……、その事実が悔しくてたまらなかった
俺達の友人関係は二年が過ぎると、あいつもたまに恋人の愚痴をいうようになった
俺がこいつに対しての恋愛感情がなければ、こんなに苦しむこともなかった
こいつはいつも弱音を吐かないから、弱音を吐くというのは心を開いてくれた証拠
それなのに俺の気持ちは晴れることは無い
黒子はそんな俺の気も知らないまま……
────
────────
ある日の午後
黒子は本を読みに俺の家に来ていた
黒子は俺の方を見ず、本を読んだまま俺に話しかけてきた
「黛さん、もし好きな人と付き合えたのにその人が他の人が好きで自分は利用されてたら、別れますか?」
「あー?
めんどくせーから、別れるな」
「自分が求めてる人はこの人しかいないって思っててもですか?」
「……あぁ」
この時の俺は気づかなかった
この例え話が、黒子自身の話とは気づいたのは後からだった
そうとは知らず、あの時の俺は軽く流してしまった……
もし、あの時少しでも話していれば違う未来があったのだろうか?
こうして日々を過ごしていく中、また月日は流れた
なかなか踏み出せない自分に嫌気がさし、俺はとうとう新たな一歩を踏み出した
例え、自分が砕けても……
プルルルルプルルルル
「もしもし、黛さんどうされました?」
「いきなりだけど聞いて欲しい」
「どうしたんですか?」
「俺はお前が好きだ
俺と付き合って欲しい」
「でも僕にはこいび――」
「いるくらい知ってる!!
けど――」
「ごめんなさい
……僕にはあの人しか愛せないんです」
そう言って切られた電話
ツーツーと響く虚しい音
それは俺の恋の終りを知らせるかのように部屋に響いた
あーあ、振られたか
辛い気持ちもあるが、前ほどのモヤモヤもなく心が少しすっきりした
黒子とは何だかんだありながらも、以前より仲良くなり、告白を後悔することは無かった
そんなある日、俺は黒子の知らなかった情報がある人物によって知ることになり、俺は……
いや、俺達3人は最悪の未来へと向かっていった
たまたまでかけ先の本屋を出た所、同じ影の高尾と偶然あってしまった
「げっ」
「あって早々嫌な顔しないでくださいよ〜♪」
「うぜぇ」
「そんな事言わないでくださいよ
突然ッスけど、黛さんはテッちゃんの付き合ってる人知ってますか?」
「は?!
知ってんのか?!」
「はい」
「誰だ?!」
「驚かないでくださいね
...赤司ですよ
黛さんと元チームメイトの赤司征十郎」
「……は?」
俺は頭の中が真っ白になった
でも、え……?
いつから??
「……やっぱり知らなかったんですね」
「何で高尾が知ってる?」
「あー、真ちゃん絡みでよくテッちゃんと会ってて、仲良くなっていったんすよーwww
……実はこの付き合いには黛さんも¨含まれてます¨よ?」
「……は?」
「この二人付き合ったのが四月の初めなんですよ、二年前の……
二年前の三月、黛さんは赤司に告白……されましたよね?」
「あぁ…」
「実は黛さんがこっちに引っ越してきた初日に2人が付き合ったんですよ
しかも、赤司からテッちゃんに告白した
あれ、おかしいな?
赤司は、黛さんがテッちゃんのこと好きなこと知ってるのに、テッちゃんに告白するってあまりにも展開が早くて、奇妙な感じしません?」
切なげに空を見る高尾に一つの違和感を覚えた
と同時に湧き出る、赤司に対しての怒り
「は……、んだよれッ!!」
「俺の推測だと、赤司はまだ黛さんが好きですよ
テッちゃんのことなんて一ミリも好きじゃない
むしろ、黛さんを手に入れたくて側に置いてる¨おもちゃ¨の一つでしかないんですよ、テッちゃんは……」
俺は高尾の言ってる意味がよくわからなかった
でも、このことがもし本当なら赤司のやってる事は黒子への裏切り
そして、俺への未練
そして、高尾に一つの違和感を感じる
もしかして……
「……高尾、まさかお前黒子のこと好きなのか?」
「あっ、バレちゃいましたかー?www
バレないようにしてたんだけどな
ねぇ、黛さん
今空を見上げてみて」
「あ?」
空に目をやる
すると、
「あの空の色、テッちゃんの髪の色に似てるし、何より今にもその空の色が消えちゃいそうな儚い感じ……
テッちゃんに似てません?」
高尾の言ってることを聞きながら、空を見続ける
それは青く澄み渡っており、あいつの髪の色と瞳の色に似ていた
隣をふと見ると高尾は空に向かって涙を流してた
いや、黒子への思いだろうか……
俺は黙ってあいつの話を聞くだけだった
1時間ほど話していると、さっきまでなかった雨雲がだんだんと空を覆い尽くす
まるで、黒子が消えてしまうかのように...
高尾と別れたその日の夜、俺は迷わず赤司に電話をかけた
プルルルル
昼間聞いた高尾の話を、そのまま話してみよう
赤司の事だから、上手に交わすか何らかの言葉が来る
あの話が本当であって欲しくない思いと、黒子の気持ちを利用してたことが嘘であって欲しいと願いながら、赤司が電話をとるまで待ち続けてた
「もしもし」
「俺だ、黛だ
今いいか?」
「大丈夫です、何かあったんですか?」
「何かって……
お前、黒子が好きじゃないのに何で、付き合ってるんだ?」
「え?」
「俺が告白して振られるようにわざと、その前に告白して付き合ったんだろ?
あいつの気持ちを利用して……
お前最低だな」
一方的に電話を切った電話
赤司のことだから、何らかの言葉が来ると思った
けど、あからさまに動揺した赤司
そして、否定の言葉も言わなかった
高尾の推測はすべてあってた
それと同時に襲いかかる恐怖
俺は黒子にとっていらない存在だった……のか?
……ごめんな、黒子
おれはただ、泣くばかりで赤司征十郎に対しての怒りは消えることは無かった
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