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どっちが好きか
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ふっとハロの右手が、僕に触れる。
胸元に触れた手が、身体を辿り、腕を降り、僕の左手に触れる。
身体の前に運ばれた僕の左手。
ハロは、存在を確かめるように、僕の左手を両手で握った。
されるままにしていた僕の左手に、ハロは、両手で、きゅっきゅっと刺激を与える。
戯れる手に親指を滑らせると、ハロは、ふふっと嬉しそうに声を溢した。
「今のは、"俺に"じゃない…な?」
顔中にキスの雨を降らせていた華亥が、唇を離し、責めるように、揶揄うように言葉を紡いだ。
「騎亥さまが、反応してくれたことが、嬉しかったんです」
僕に顔を向けたハロが、ふにゃりと笑う。
「ハロは、騎亥の方が……好き?」
ハロのうなじに唇を寄せながら、華亥は、言葉を紡いだ。
華亥の質問に、ハロは、僕に向けていた笑みを消した。
「ボク……っ」
ハロの手に握られていた左手を引き抜いた。
僕は、開こうとしたハロの口を、左手で塞いでいた。
急に口元を押さえられたハロは、瞳を開き、瞬く。
華亥は、選択された方の刻印を、ハロに刻むつもりなのだろう。
華亥の名でも、僕の名でも…、どちらかを選択されることが、嫌……だった。
「兄さん、それは、ハロが決めることじゃない」
怒気を含む、低い僕の声色に、華亥ではなく、ハロの瞳が沈んだ色を浮かべた。
「俺は、どっちが好きか聞いただけだよ」
しらっと言葉を放った華亥は、そのままハロの首筋に口付ける。
「違うよね?」
言葉に華亥は、ハロの首筋を舐め上げながら、威圧するような瞳をちらりと僕に向けた。
「兄さんのでいいって言ってるだろ? ハロを惑わすなっ」
華亥は、後ろから手を差し出し、ハロの顎を掴んだ。
くんっと、多少強引にも思える力量で、ハロを振り向かせた。
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