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魔王と勇者の息子、泣くっ☆
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ママがいなくなってから一週間がたちました。
ママは僕が嫌いになったから僕を置いていったんだ。
いつもなら一緒に連れて行ってくれるのに。
あの日、嫌いなんて言わなきゃ一緒にいてくれたのに。
僕は皆が心配してくれても泣き続けた。
「こんなに小さい子をおいていなくなるなんて信じられないっ!!!!」
ヒビキはそう言って怒ってくれたが前の僕だったらそれを優しいと思えた。
今はヒビキがわざとママを追い出したのではないかと思えた。
「ルイ、僕が君のママになってあげる。ルイだってあんなお母さんより僕のほうがいいでしょ?
僕、ルイのこともレオンのことも大好きだから、ねっ。」
ヒビキはそう言って、僕を抱きしめてくれた。
「ヤダ、ヒビキ、ママじゃない。ママに会いたいっ!僕がママのこと嫌いって言ったから・・・。ママ泣いてた。僕とパパを見て泣いてた。謝らなくちゃ。ヒビキ、ママに会わせて・・・お願いッ!」
ヒビキはいままでの笑顔が嘘なんじゃないかっっていうくらい顔をゆがませていた。
「だから、僕がママになるって言ってるじゃんっ‼お前さえ、みとめてくれれば、レオンは僕のものになるんだよ。いいかげんママママうるさいよっ!あんな奴のどこがいいのっ!?僕の方が何千倍もかわいいのにっ。あー、もうイラつく。」
ヒビキはそう言ってどこかへ行ってしまった。
僕はヒビキのほんしょうに驚いて、ポカーンとしてしまった。
向こうのほうからパパが見えた。パパは僕に近づいて、僕の眼を見て、こういった。
「ルイ、ママのところへいこう?もし、ママがパパを許してくれなくてもルイだけでもママに会わせてやるから。ママがここの戻りたくないっていうんだったら、3人で仲良くヒッソリと暮らそう。だから、皆に挨拶しに行こう?」
ママとパパと3人で、一緒に・・・。
「パパはおうぞく、なんでしょ?ママが前、ずっと一緒にはいられないって言ってたよ?
ママは『いつかパパは人間界の王様になって、キレイな人と結婚して子供を産んで人間界をまもらなきゃならないの、だから僕らがいつか邪魔になったときに一緒にパパから離れなきゃ駄目なんだよ?』って言ってたよ。」
パパは初めて聞いたのか、悲しい顔をしていた。
僕は言っちゃいけないことだったのかもしれないと思って、下を向いた。
すると、パパは僕を抱きしめた。
「嫌だよ、やっと一緒になれたんだ。やっと家族になれたんだ。王族じゃなくていい。ただのレオンでいい。お前達がいなくなるくらいなら死んだほうがましだ。一緒にいよう?ずっと、一緒に。パパな、普通の家族にあこがれてたんだ。王族は何人もお嫁さんがいて兄弟もたくさんいるけど、皆お母さんが違っていてな、皆仲がわるいんだ。だからどんなに貧しくてもいい。いつか本当に愛せる人ができたら、その人と一緒に暮らして、子供を作って、皆で笑いながら暮らしたいんだ。
その願いがかなってたのに、俺自ら壊しちゃった。だから・・・。取り戻そう?」
パパはそう言って僕を抱きかかえた。
「ルイ、ルイは俺とジルの愛の結晶なんだよ?だから、俺にも我がままを言ってほしい。いつもお前、俺には我慢してただろう?」
パパは肩車をしてくれた。パパはやっぱりカッコいい、自慢のお父さんだった。
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