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勇者、悩む・・・
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昨日、やっと2人目の子供が生まれた。
だが、俺はずっと悩んでいた。・・・名前が決まってないのだ。
「んん~、どうするか。女の子だしなあ。」
「そうだね。僕も男の子が生まれると思ってたもん。二人ともXY染色体だから、まさか女の子とは・・・。まあ、ルイは妹で喜んでるけど。」
生まれた子供は女の子でジルにそっくりな黒髪で俺と同じ目の色をしている。
「アテナ、ウル、アマテラス・・・」
「いや、僕、勘当されたとはいえ、魔王の息子なんだけど・・・天界にケンカ売ってどうするの。」
ジルがため息をつきながら赤ちゃんを抱っこし、『パパはダメダメでちゅね~。』と言って赤ちゃんの頬をウリウリしていた。
「あー、ごめん。人間生活が染み付いてきたからか、大事なお前の設定忘れてた。」
「設定ってなに!?僕、君のせいで勘当されたんだけど?」
そういやそうだった。いや、だって、ジルを初めて見た瞬間、『よし、俺の嫁にする。』と思ったのだから、仕方がない。
人間は欲深い。欲しいモノを得るためならば、そこに愛があれば免罪符にすらなってしまう。
魔族にはそれはない。魔族の場合、甘い誘いをかけ、それに乗った者を責めるのが仕事だ。
「それに、記憶がないから仕方ないけど、僕は初産のときには村の人々がいてくれたけどレオンがいてくれなかったから寂しかったんだからね。」
ジルは俺に向かって手を伸ばし、俺はその手を取った。
二人で硬く手をつなぎ、傍にいることを嬉しく思った。
「この子の名前はどうしようか?」
「そうだなあ、学園中が祝福してくれたのだからな。愛のこもった名前がいい。」
俺はそう言って、今まで、ジルの傍でお昼寝をしていたルイの頭を撫でた。
「ジル、ルイ、赤ちゃんも愛してる。これからも家族皆で幸せでいよう。」
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