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番外編 魔王誕生秘話 続き2
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我は部屋のベッドで一人でなき、ベルデヒルドと結婚する覚悟を決めた。
「者共、ベルデヒルドのところへ行く。準備せよ。」
我はそう言ってドアを開いたら、そこには地獄絵図が広がっていた。
「あ、アルッ♡やっと出てきてくれた。こいつらがさ、アルはベルデヒルドの嫁になるなんておかしなコトを言ってるんだ。それにさっきはビッチ共のせいでアルとちゃんと話せていなかった。」
ジュリウスはそう言いながら、部下の腹から剣を引き抜き、部下を床へと投げ捨て一歩一歩我に近づいてきた。
「嫌だっ、来るなっ‼」
我がそういうとジュリウスは傷ついたような顔をしていた。
「・・・嫌だ。いかないでぇっ‼俺と結婚してくれるなら世界でもなんでも手に入れてあげるからっ‼毎日、薔薇の花束でもきれいな装飾品でも用意してあげるからっ‼だから・・・だから・・・好きじゃなくていいからっ‼信じなくてもいいからっ‼アルデヒルドと浮気してもいいからっ‼隣にいて。おいてかないで・・・傍にいさせて。もう、苦しい・・・。」
ジュリウス言っていることが理解できなかった。だって・・・だって、先に言ったのはお前ではないか・・・『たった一日過ごしただけで恋に落ちるわけがない』と・・・
「あのさ、あの日、アルが逃げ出した後、アルのショックをうけた顔を思い出して、胸が痛かった。後悔なんてしてないはずなのに、お金をたくさんもらって、ウハウハのはずなのにその金が憎たらしくなって・・・アルに会いたくなって、探して、探し回って・・・そしたら結婚するって聞いて・・・。そしたらさ、何かにこらえられなくなって、どんな手段を用いてでもアルの傍に行こう。アルと一緒になれるのは俺なんだって思えて、あったらどんな顔するだろう?俺のこと覚えてるかな?ずっと一緒にいたい。アルとの子供が欲しい。とか酷いことしたのなんか忘れてさ。笑えるよな・・・でも」
「止めてくれっっ‼‼」
我がそう叫ぶとジュリウスは押し黙った。
「なんなんだっ!?これ以上、我を弄んで楽しいか?我はずっと・・・ずっと・・・ジュリウスを愛してたのに・・・裏切られて、寂しくて、悲しくて、憎たらしくて・・・なのに、なのに、嫌いになれなくて、アルデヒルドとの結婚を決心して・・・やっと・・・やっと諦められるのに・・・!」
我はもう何が何だかわからなくなり、下を向いて、泣いた。
「・・・結婚してください。俺に一目ぼれさせた責任とってください。・・・愛してる。二度と裏切りません。あきらめないで。私を・・・俺を求めてっ・・・!」
ジュリウスは我を抱き寄せ、涙をぬぐい、金色の小箱を差し出した。
「開けてみて。」
我はそれをそっとあけると、そこにはペンダントが入っていた。
「これは私の家の紋章で結婚をするときに渡すものなんだ。指輪とかとはまた別で・・・生涯をかけて君を愛するっていう証明で・・・その・・・」
ジュリウスは何かを言いかけて、黙った。我はジュリウスの顔を見つめると、眼をそらしたり、顔を真っ赤にし、頬をかいた。
「だから・・・その・・・私の家も財産も私のてっぺんから足の先まで君のものになりたいって意味で。」
我はとうとう吹き出してしまった。さっきから言い淀みすぎていて、笑いがこらえられなかった。
「駄目だ。」
我がそういうと、ジュリウスはグッと我を抱き寄せ、離さないようにした。
顔は見えなかったが、泣きそうな顔だった。
「家も財産もいらぬ。我のほうが持っているしな。・・・だからジュリウスの頭のてっぺんから足のさきまで・・・この胸の動悸もその吐息もすべて我によこせ。そしたら、我をそなたにやる。」
そう言って、我はジュリウスの頬に口づけた。
「アルロード・・・愛してる‼」
ジュリウスは我を抱き締め、キスをしようとしたが我はジュリウスと我の唇の間に指を挟んで止めた。
「あのー、アルさん?」
「ここで、キスの前にやることがいくつかあるからそれを片づけてからにしよう。」
「やることって?」
「まず、アルデヒルドのところへ行って、結婚の破棄をするでしょ?それから父様のところへ行って、婚約の破棄とジュリウスとの結婚の相談。・・・あ、でも父様とジュリウスは戦うことになるかも。」
そう我が言うとジュリウスはながーいため息をつきこう言った。
「バッチコーイっ。」
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