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「ところで、スミス。おまえの…いや、この話を俺にするように言った奴らの目的は、何だ?」
「あー。やっぱ、バレますよね。」
スミスは一瞬、クシャリと情けない顔で笑うと、真顔に戻ってこう言った。
「そんなことは決まってるさ。ダニエル・ガードナー。アンタを取っ捕まえて、研究所に閉じ込めるんだよ!」
鮮やかな手付きで、あっという間に手錠をかけられてしまった。
「離せ、スミス!」
「隊長、大丈夫です。なんの心配もないですよ。取り敢えず、今日のところは、ですがね。積もる話とやらをジョンソンとしてやって下さい。」
ポンと肩を叩いたのは、いつも通りの顔だった。
「スミス、おまえ…。」
「オレのボーナスの話も含めて、上に随分掛け合って、何とか3日に1回は、外出許可を出すってことにさせときましたから。…愚痴もノロケ話も、そん時にオレがタップリお聴きしますよ。」
ウィンクを寄越した馬鹿野郎に連れられて、俺は研究所とやらの門をくぐった。
「それじゃ、また3日後に。」
「来なかったら、ジョンソンに張っ倒させるぞ。」
「そいつは、困りますよ、隊長。今じゃ、オレも忙しい身の上なんでね。」
スミスは頭を掻きながら言った。
「この顔で広報担当なんて柄じゃないって、自分でも分かっちゃいるんですがね。それでも、誰かがこういう辻褄合わせや目眩ましをやらなくっちゃあ、ならない。そうでしょ?」
「相変わらずだな。」
「それは、あんたがたも同じでしょう?」
言われてみれば、たしかに、そうだ。
俺は笑って頷いた。
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