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追跡
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『ダニー。』
ふと頬に冷たい物が触れた。
ほんのり光る指先。
―ジョンソン?
目を開けると、澄んだ右目が哀しげに俺を見つめている…。
『…さよナラ。』
「駄目だ、ジョンソン!!」
全力で、ヤツの右腕にしがみつく。
―[特攻]する気だ。
遠い昔のバカな国の話だと思っていたことを、今まさにジョンソンがやろうとしているのが、なぜか俺には判った。
『しカし!ハヤく〈彼〉、ヲ捕まえ、ナクてはっ!』
「少し落ち着け!2人で考えれば、何か策を思い付くかもしれない。それに…」
俺は更にロボット化が進んだジョンソンの姿をチラりと見て、言い淀んだ。
『それに?』
「今は、俺の方がアイツに警戒されずに、近付くことが出来る。違うか?」
『確かに、そウデスが。ヤツの気配をオえるのは、私だけデス。』
「だが、おまえがここから居なくなったら、すぐに大騒ぎになる。アイツを見付ける前に、派手に軍の連中とやり合うハメになったら、その騒ぎで取り逃がしてしまうぞ。それにアイツは、スミスになりすましている。仕事を放り出して、いきなり消えることは難しいだろう。なにせ相手はマスコミだからな。」
『デハ、それをサカ手に取りマシょうか。』
「そうだ。慎重に、いこう。俺たちなら、出来る。」
『…アナタにそう言わレルと、本当にそうなるから不思議です。』
「それは、おまえがいてくれたからだ、ジョンソン。」
『隊長。』
近付いた手が、俺の掌をソッと握った。
その上からもう片方の掌を乗せ、ニヤッと笑って見せる。
「決まりだ、マーク。絶対に成功させるぞ。」
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