アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
じゅうに。
-
*
勢いよくため息をついて、
兎代はやり切れない気持ちで頭を掻く。
「……わかったよ。」
「………え……?」
泣いていた寧々がパッと顔を上げる。
その顔は非常に情けないものだが、そのくらい彼女は必死なんだろう。
「しょうがないから、お前の作戦にのってやるって言ってんの。」
「ほ、本当……!?」
「ただし1つだけ条件がある!」
兎代は腕を組み、
泣いている寧々に向かってビシッと提言した。
ーーーーーー
ーーー
兎代達が話し合って数分。
大きな扉を開けて戻ってきた2人に、さっそく龍彦が訊ねた。
「おかえり。
……で、話はまとまった?」
嬉々とした寧々と反対に、
兎代は不服そうな顔で喋る。
「………婚約者候補なら、別にいい。」
「だそうです!」
その返答を聞いて、龍彦も安心したように笑った。
「そう、ならよかった。」
チラリと、兎代は伊月の顔を見る。
彼はいつもと変わらず、ただ真剣な顔で周りの様子を伺っているだけ。
「……………。」
ーーーー
"ただし1つだけ条件がある!"
ーーー数分前、
兎代は寧々と話し合っていたことを思い出していた。
『その条件とは?』
寧々が真剣な顔で兎代に訊ねる。
『お前はこのことを、伊月に話したか?』
そう言うと彼女は顔を真っ青にさせて、縦に頷いた。
『それはもちろん!!伊月さんに話さないで行動したら、さすがの私でも命はないです!!』
ガタガタと震えている様子を見ると、どうやら彼女も彼の本性を知っているようだ。
『ふぅん、ならいいけど…。
俺の条件はそれだけだ。伊月にちゃんと説明しねぇと、アイツ勝手に勘違いして暴走するから。』
前回の事件で兎代はしっかりと学習した。
伊月がいかに自分に執着しているかを。
そして自分も、
同じく彼を必要としていることを…。
ーーーーー
(あの様子を見ると、どうやらアイツの話は本当みたいだな。)
変化のない伊月の様子を見てホッと息を吐く。
ーーーだが安心したのもつかの間。
この後、寧々がとんでも無いことを口にする。
「それで早速なんですけど、兎代さん。
貴方の事をよく知りたいので、これから貴方と同じ学校に通わせていただいても宜しいですか?」
「は?」
打ち合わせには無い提案に、兎代は目が点になった。
「あ!あと貴方の住まいにも1週間、お邪魔させていただきますね?
やはりその方が手短に貴方のことを知れますし。」
「あ"ぁぁっ!?」
次々と爆弾を投下する寧々。
それに兎代は大きく声を荒げてしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
79 / 148