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じゅうなな。
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*
「……ん………。」
ーーー翌朝。
兎代は伊月のベッドで朝を迎える。
暖かな布団を満喫しながら、兎代は身体を動かした。
その時ふわりと香る伊月の匂い。
それがとても良い匂いで、
兎代は顔をつい埋めたくなった。
バンバンバン!
「兎代さーーん!朝だよーー!」
「わああぁぁぁぁっ!?」
いきなり扉を叩かれて、兎代は声を上げて驚く。
ベットから飛び跳ねて起き上がると、扉の向こうから寧々の声がした。
「伊月さんから伝言!
制服に着替えて、リビングに来るようにだって!」
「……あーはいはい、わかったよ!」
寧々の乱暴な起こし方にイラつきながら、兎代はベッドから足を下ろす。
(いつものあのエロい起こし方じゃないから良いものの……、大声で起こされるのもムカつくな。)
そう思いながら伊月のクローゼットを開けた。
「……やっぱり。アイツ本当にちゃっかりしてるな。」
そこには兎代の制服が、しっかりとハンガーに掛けられていた。
他にも私服や下着、スクールバッグや教材などが彼の部屋にあった。
(昨日部屋の片付けをしてた時、
アイツは俺の私物をこの部屋に移動させてたんだ。)
兎代は制服に着替え、
顔を洗った後リビングに向かう。
そこには皿を並べてる伊月がいて、兎代を見つけるとにこやかに挨拶した。
「おはようございます、若様。」
「お、おはよう……。」
いつもと変わらない笑顔と態度。
しかし昨日は兎代が伊月の部屋に篭ってしまったため、彼はまだパジャマ姿だった。
その姿が新鮮すぎて、
兎代の額からは さらなる冷や汗が流れる。
伊月は完璧主義だ。
何事にもキチンと仕事をこなし、自分のだらし無い姿を見せるのをものすごく嫌った。
……それが、どうだろう。
周りよりいち早く着替える彼が、最後までパジャマ姿っていうのは。
(俺、マジで昨日の言葉通り酷い目に合うかも……。)
内心ビクビクしながら、
兎代は自分の席に座ろうとした。
「さて、若様がやっと出てきたから俺も着替えますか……。」
腕まくりを戻しながら彼は兎代とすれ違う。
「……昨日の言葉、覚えてろよ。」
「っ、」
そう小さく囁いて、伊月はリビングを後にした。
「んーー、美味しい!
朝からチーズ入りオムレツとか幸せすぎるよぉぉ。伊月さんの料理美味しいね、春真。」
「はい、そうですね。」
「………………。」
その後ろでは、優雅に朝食を食べる寧々。
兎代の視線に気づいた彼女は、笑顔で話しかける。
「あれ、兎代さん。どうかした?」
「なんでもねぇよ…!
さっさと飯食って学校に行くぞ…!」
「??」
涙目になりながら食パンにがっつく兎代を見て、寧々は不思議そうに首を傾けた。
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