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いち。
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「それに、若様の身を龍彦(たつひこ)様が心配しています。
龍彦様のためにも、俺は貴方のそばにいるのです」
「あぁ!そうだろうな!
どうせ父さんが命令してお前を、俺に寄越したんだろ……!
お前は父さんの言う事しか聞かない、忠犬だもんな!」
「……プッ……若様、妬いてます?」
「妬いてねぇよ!!」
(本当に、ムカつく……)
目の前でヘラヘラと笑っているこの男、伊月 楓(いづき かえで)
一見、普通の高校生のように見えるが、実は俺より年上の23歳
俺の付き人をするために、年齢を偽ってこの学校の生徒として在籍しているのだ
しかし周りの奴らは、それにほとんど気づいていない
むしろ、彼の中性的な整った美しい顔立ちと人懐っこい性格に、可愛いやらカッコいいやら言っていて彼を人気者扱いにしている
だが、彼の本性は全くといって違う
付き人をやっていない時は、色気が半端ない大人の男だ
多くの人間を魅了し、ある程度遊んでいた過去があった
(俺より背が小さいくせに……)
そんな彼は俺の家に仕える、いわばボディーガード。
俺の家、安土(あづち)家は、昔から有名な財閥で、命を狙われる事が多かった
特に当主である俺の父を殺そうと、幾つもの殺し屋が彼を襲った
だが、伊月はそれをたった1人で阻止したのだ。
しかも相手が二度と仕事ができないよう、返り討ちまでして……
そんな番犬のような男が、父の命令で俺の付き人をやっている
(別に凄腕の伊月じゃなくても、他に付き人になれる奴は、沢山いただろ……)
「若様が何と言おうと、俺は離れませんからね」
「っ、」
クソッ、なんで伊月なんだよ……。
父さんの命令で仕える付き人なんざ、俺には要らねぇ。
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