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じゅうに。
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「何て事だ……。」
俺は今、目の前にあるものに目を疑っている。
ごくんっと唾を飲む音が隠せない。
(……伊月、お前は何ていう奴を俺に寄越したんだ。)
「……星野。」
「はい、兎代坊ちゃん。」
「これ、本当に……良いのか……?」
「はい!全部兎代坊ちゃんのために作りましたから。どーぞ沢山お召し上がりください!」
目の前にあるのは、めっちゃくちゃ美味そうな
飯っ!
飯っ!
飯っっ!!
豪華に広げられた美味そうな料理に、俺は目を輝かせた。
「そ、そうか!じゃあ遠慮なく……
いただきまーーすっ!!」
それを合図に、俺は豪華な飯にかぶりつく。
ガツガツと、勢いよく飯を口の中に運んだ。
実は学校に帰ってからずっと腹ペコだったんだ。
「お、美味しいっ!!!
美味いぞ!星野!!」
唇にご飯粒を付け、キラキラと目を光らせる俺に星野は嬉しそうに微笑んだ。
「お口に合ってよかったです。
さぁ、坊ちゃん!どんどんお食べください!」
「おうっ!任せろ!」
そんなこんなで、俺は余裕で全ての料理を平らげてしまった。
「ふぅ……、腹いっぱい。ご馳走様でした!」
パチンッと顔の前で手をあわせる。
「星野、お前凄いな!若いのにこんな料理作れるなんてさ。お前、絶対モテるだろ?」
「いえいえっ!俺なんか全然モテませんよっ!
料理は趣味みたいなものですから。兎代坊ちゃんも頑張ればこのくらい作れますよ。」
「……あのさ、さっきから思ってたんだけど…。」
「??」
「兎代坊ちゃんっていう呼び方やめねぇ?
その……、この年で坊ちゃんっていうのは恥ずかしいというかさ……。
できれば名前か、苗字で呼んで欲しい……。」
後頭部を掻きながら話すと、星野は目を丸くして慌て始めた。
「も、申し訳ありません!俺の盲点でしたっ…!
あぁ、俺としたことが……。
ではこれから改めて、兎代様と呼ばせていただきますね。」
「よろしいでしょうか?」と伺う彼の表情はまるで子犬のようだった。
(……コイツ、思ったより良い奴かも?)
「おう!改めてよろしくな、星野。」
笑って手を差し伸べれば、星野も笑い返して俺の手を取った。
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