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じゅうきゅう。
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*
「要するに…!
今回の事件で楓くんが協力してくれたのは、僕のためじゃなくて兎代のためだったってこと!」
「わかった?」と言われて、俺はコクコクと頷く。
「よろしい。
じゃあ兎代は、楓くんのことを許してくれるよね?
彼、今回のことで相当参ってるみたいだし。」
「…………そ、それは………。」
グッと口ごもる。
「……駄目か。
そりゃそうだよね。本人と話し合いしなきゃ、喧嘩って解決しないよね。」
「??」
スッと俺から目線を外した父さんが、扉のほうに向かって大声で喋り始めた。
「おーーーい、そこにいるんだろ?
いい加減出てきたらどうだ?楓くん。」
「えっ!?」
後ろを振り向けば、扉が開く。
そこには不機嫌なオーラを纏った楓がいた。
「………はぁ。バレてましたか。
貴方にはいつも見つかりますね。気配を完全に殺したはずなんですけど。」
「あはは、だって楓くん分かりやすいんだもん。
僕が兎代に可愛いって言った瞬間の殺気たら……ね?
僕一応彼の父親なんだけど。心が狭いなぁ。」
「……黙って下さい。」
「か、楓……。」
彼の姿を見た瞬間、俺は戸惑ってしまう。
気まずい。
だって会うのはあの日以来だ。
数日ぶりに見た彼の姿は、少し痩せたように見える。
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