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クリスマスソングの季節
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ジングルベル♪ジングルベル♪鈴が鳴る〜♪
「鈴なんて鳴らねぇよ。」
ドスンと置いた段ボールがポップした。
「あっ…やばい!やばい!!」
雄大(ゆうだい)は周りを見回した。
誰も見てなかったよな…
そっと段ボール開けるとリアルな顔をしたサンタのクッションがギュウギュウに詰め込まれていた。
「……こんなの売れるのかな?」
雄大は首をかしげながら、売り場に展示しているソファーにリアルサンタのクッションを並べた。
「わぁー可愛い〜☆」
(可愛い!?)
見ると白いミニワンピの背の低い丸々とした女性が、サンタクッションを指差して、甲高い声を上げていた。
「見て!チョリン。凄い可愛い☆」
女性の横には背の高い棒みたいな男性がいた。2人は腕を組んで、ウフウフと言い合っていた。
(チョリン!?)
雄大は一歩移動し、今度は小さなリアルサンタのクッションを並べ始めた。
「小さいのも可愛いぃ☆」
「可愛いねぇ〜〜」
(まだ並べてる途中だからどっかいけよ!怒)
「一人一人顔が違う〜〜凄くない〜〜」
「ミキミキ気に入ったの??クリスマスプレゼントに買ってあげようか?」
(ミキミキ!!?)
「えっ〜☆」
女の甘えた声がする。
「いいよ〜〜うちのインテリアでは合わないし〜〜あんまりスペース取らないのがいいなぁ〜〜☆」
(そいつはクッションより、ネックレスとかバッグとか高級品が欲しいに決まってんだろう。ここには無いぜ〜〜)
見えないところでおどけた顔をした。
「チョリンのおうちに置こうよ!私のとチョリンの!」
「ソファーには2つは置けないから、ベッドにかな〜〜?」
(てめーはそんなこと言って、ベッドに誘いたいんだろう)
今度はヒヒヒッとで笑った。
「もう行こう〜〜ミキ、お腹すいた〜〜。」
女がクネクネと男にすり寄った。
「実は、今日はミキミキの為に☆☆ステーキ店に予約入れたんだ〜〜。」
(☆☆ステーキだって!!?)
「え〜〜このモールの?チョリン、大好き〜☆」
女はぽいっとリアルサンタクッションを投げ、折れそうな男の腕にぶら下がるかのように張り付いた。
「ハッハハハハ。」
「ウフフッ。」
(☆☆ステーキ店…所詮、このモールに入っている飲食店だから、そんなに高級ではないが…だが!まだ俺は行ったことない!!)
雄大はギリギリと拳を握りながら、ピンクのオーラを振りまく2人の後ろ姿を一瞥した。
ふと冷静になるとリアルサンタ達がグチャグチャになって置かれていた。
「ごめんな。。」
一つ一つ手にとって、綺麗にソファーに並べていくとサンタたちは満足そうに笑っているようだった。
「早く売れるといいな。」
ぽんっと端のサンタを叩いて、呟いた。
その時、横から腕が伸び、サンタがひとり取り上げられた。
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