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君に出会う
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ついにアフレコ初日がやってきた。
実のところ、昨夜、卓斗は一睡もしていない。
あまりの緊張で眠れなかったのだ。
「ついに…今日からか」
アフレコは朝十時から。
だが、卓斗はまだ八時なのにスタジオの前に来ていた。
(随分早く来ちゃったな…)
まだスタジオも開いておらず、卓斗は一人でただ待っていた。
それから二時間近く待っていると、ようやく人が集まりだし、卓斗の顔に緊張が走る。
そして、テスト、ラステスを終え、ついに本番──。
緊張のせいか、何度かNGを出してしまったが、終わる頃にはそれも無くなっていた。
「お疲れ様でした!」
いろいろありながらも、収録は無事に終わり、みんな各々スタジオを後にする。
「卓斗君、お疲れ!」
今日一日、なんとか無事に終えることができ、卓斗は内心ホッとしていた。
帰り際の先輩たちに声を掛けられ、卓斗も笑顔で挨拶を交わしていく。
「剣咲君!」
先輩もほとんど帰り、卓斗もスタジオを出ようとした時、一人の男に呼び止められた。
「あのさ…良かったら今からご飯でも行かない?」
「え?…あ、はい! いいですよ」
この後は家に帰るだけだったので、別に断る理由もないし、誘いを受ける事にした。
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