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君と過去
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だが、卓斗はあまり気にしなかった。
正直、多少は気になったが、そんな事を知っても知らなくてもゆうはいつまでも隣に居ると思っていたから。
人見知りの卓斗にはゆうしか居なかったのだ。
でも、悲しいことに、別れは突然やってきた。
「タク、話があるんだ。俺…来週、引っ越すことになったんだ」
「ひっ…こし?…どこに?」
突然告げられた引っ越しの事実に、卓斗は大きな衝撃を受ける。
一体どこに行くのだろう、と卓斗は五歳ながらに必死で言葉を放った。
「…遠くにね」
だが、ゆうはそれ以上何も答えてくれなかった。
その顔は笑っていたが、瞳は哀しみに満ちている。
そんな表情を見せられた卓斗は、もう何も聞けなかった。
「また…あえるよね?」
「うん。絶対会えるよ」
また会える。
ゆうのその言葉を信じて卓斗は待つ事にした。
いつか会えるその時を…。
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