アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
本物――――?
今だ状況が信じられず、紅は見上げたまま動けずにいた。
すると、それをどう受け止めたのか。
瑛太が溜め息混じりに口を開いた。
「俺がいない間にもう浮気ですか?」
「違っ…!!」
その言葉に金縛りにあったようにガチガチだった身体がようやく動いた。
しかし、身体の震えは治まらず絞り出した声は妙に上擦ったものだった。
「う、浮気ってなぁ、おまっ、お前こそ…」
「ああ…それとも本気なんですか?」
人の話を最後まで聞かないところは相変わらず。
紅の言葉を遮るように下唇を親指で一撫ですると瑛太は切れ長の双眸を険しく細めた。
その瞳はいつもより虚ろで気だるそうで艶めいていた。
「前に言いましたよね?手離す気ないって」
『浮気』
『本気』
何だか瑛太は大いに勘違いしていないだろうか?
眉を顰めると瑛太はゆっくり後方へと振り返る。
そこには、唖然としながら事の成り行きを観ていた森澤。
突然の瑛太の乱入に困惑しているようだ。
「森澤さん、すみませんが俺もこの人 手離す気ありませんから」
森澤の胸ぐらを掴み上げた瑛太に、もしや殴り合いでも始まるかと紅も一瞬焦った。
「そのキス、返して貰えますか?」
言うが早いか瑛太の唇が森澤のそれを覆った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 46