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俺だけの優越感
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休み明けは、何だかみんな煩い。
俺の周りを囲む友達もはしゃぐ。
気持ちはわかる。
誰もが通る道なのかは知らないが、昔は俺もこんなんだった。
いや、本当はこんなんなのかもしれない。
今日の俺が可笑しいのかもしれない。
「柊季?何感慨深い顔してんだよ」
凪が目の前で手をひらひらさせながら言う。
感慨深い…
巡のせいだ。
巡と話してから、あの声が耳から離れない。
「なぁ、お前等巡の声聞いた事ある?」
机に肘を付いて前屈み気味に聞く。
さぁ?、巡って誰?と口々に言った。
同じクラスにいて、巡を知らない事に驚く。
しかも何人も…。
「それがどうかしたの?」
と女友達が聞く。
何でもない、そう言って話題を変えた。
誰も知らないなら
俺だけで止めて置こう
俺だけが知る、巡のあの声を--。
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