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あの、海音君。入っていい?
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目を瞑った所で、ノックの音が聞こえた。
「あの、海音君。
入っていい?」
「ああ」
俺が返事をすると遠慮がちに扉から顔を覗かせてきた。
俺は上体を起こして、男を見た。
「僕学校に行ってくるね。
もし、理事長に会いに行くなら案内するけど……」
「いい」
また男は俺に話しかけてくれた。
それに嬉しく思うが、俺の口から出てくる言葉は何とも冷たい言葉だ。
「そっか……分かった。じゃあ、行ってくるよ」
男は俺の返した言葉に少し寂しげに答えた。
「ああ」
何で俺はコミュ症なんだよ!
もっと、ありがとう、とか、いってらっしゃい、とかあるだろ!
言え!言うんだ!
「……」
バタン
結局言えずに扉が閉まる音だけがその部屋に響いていた。
はぁ……寝よ。
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