アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
新しい寮生活
-
オレ、羽鳥 鳴(はとり めい)は、今年の春に都内でも有名な【私立賢王学園】に入学した。
ここは全寮制で、オレも今年の春から寮で生活をしている。
「そんなに急ぐことないだろ〜……眠ぃ〜。」
「あくびしてないで走れよ!!。マジで遅刻するぞ!?」
そして、オレはついさっきまで寝ていた斗真をどうにか起こして、校舎へと急いでいた。
この学校の寮は敷地内にあって、走れば10分ぐらいには校舎に辿り着くんだけど、今日はゆっくりとはしてられなかった。
「今日、お前が起こせって言ったんだろ!」
「俺、そんな事言ったっけ?」
イラッ!!
「お前が朝練出るから起こせって言ってたんだろうが!!!」
走っていたオレは立ち止まって、斗真に怒鳴りつけた。
そう、正直言って、オレがこんな時間に起きて、学校に行く必要なんてない。
その理由は、斗真にあるんだ。
この斗真と言う男は、剣道のスポーツ推薦でこの学校に入学したらしい。
しかも、かなりの有名選手らしくて、入学して3カ月しか経ってないけど、部活ではエースと言われ、なかなかの活躍を期待されている。
だけど……そんな選手なのに……こいつは酷いのだ!!
別の一言で言うならば、だらしが無いのだ。
先週、剣道部の朝練があったらしいが、寝過ごして不参加になったらしい。
ルームメイトでも、そんな事聞いてもないし、入ってもいない部活の事まで知るはずもない。
だけど……だけどね?(泣)
この前、剣道部の顧問の先生に、何故かオレが呼び出された。
『あいつは重要な人材だ』『ルームメイトなんだから、手伝ってやれ!!』などと力説された。
担当外の事だと思ったが、先生の熱血が酷すぎて、断る隙見つからなかった。
朝練の月間予定表を渡されてしまい、仕方なくやる事になってしまった。
だけど……こいつは、前日の夜に朝練だと言って置いても寝坊はするは、その所為で、オレはまたあの熱血教師に叱られるたりと、酷い目に遭っていて、今日みたいに一緒に学校に向かう事にしたんだ。
本当なら、あと一時間は寝てたはずなのに……(泣)
しかも、朝練は他の部活もしていて、曜日や時間によって、毎日違う場所で行う事になっていた。
そして、今日は最悪な事に、寮から少し離れた第二体育館の方で練習する事になっていて、こうして急いでいるのに……このヤロー!!(怒)
「わ、悪かった!思い出したから、そんな怒んなよ?なっ?なっ?」
「だったら、さっさと行く!!走る!!」
「うっす!!!」
怒っていたオレを見て、流石に斗真もマズイと思ったのか、慌てて学部室の方へ走って行った。
オレは斗真が走って見えなくなるまで睨んでいて、姿が見えなくなって、ようやく溜息を吐いた。
「あいつ……ああ言うトコが無ければ、かっこいいのになぁ〜。」
同じ高一だけど、斗真はオレよりもかなり背が高くって、かっこいい顔をしている。
あいつの生活態度を知らなければ、きっと爽やかでカッコいいと思っていたと思う。
まぁ、いい奴ではあるんだけどね?
斗真を送り出した後は、ただただ眠気との戦いだった。
オレは近くにあるオープンカフェの席に座り、うとうとしていた。
この学園は、中高大の学校がだだっ広〜い敷地内にあるマンモス校だ。
高大の寮は敷地内に建てられている。(ちなみに、中等部の寮は学園の外にあるらしい。)
高等部の受験で入って来たオレにとっては、この広い学園は迷路の様に感じてしまっている。
しかも、学校の敷地内なのに、今いるカフェとか服とか食物とかのお店があったり、十分過ぎる程の施設があって、ここに住んでれば何も困らない程度のモノが、ここには揃っている。
それだけでも驚きなのに。学費や飲食代などが異常に安い。
なんでも、この学園の創立者が大富豪だったらしく、そこで賄えているらしい。
本当、助かるよなぁ〜……オレみたいな庶民でも、こんないい学校に入れるなんて、入学前のオレは夢にも思っていなかった。
「あぁ〜……眠い……でも、そろそろ行かないと……」
ウトウトしてたら、もう登校時間が近づいて来ていた。
カフェで寝る訳には行けないし、教室に行って少し寝よう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 8