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「眠い……どうしよう……」
早めに登校して、誰もいない1-Cの教室に入ったオレは机に突っ伏して、すぐさま夢の世界へ旅立った。
その後、クラスメイトや先生がやって来て、一度は起きたけど、それでもまだ眠気は覚めない。
結局、オレは1限・2限目はウトウトしたままで、開いていたノートに、眠気のフェアリー様が書かれた謎の文字が書かれていた。
あぁ……どうしよう……保健室で仮眠取らせてもらおうかな?
流石に3限・4限目まで、この調子なのはさすがにマズイから、休ませて貰おうかと思った時だった。
【連絡しまし。1-S 日狩 宙君。1-B 紫藤 大輔君。 1-C 羽鳥 鳴君。直ちに職員室にお越し下さい。繰り返します……】
「えっ!……オ、オレ?」
オレなんかしたかな?でも、なんでもSクラスの人も呼ばれてるんだろ?
急に名前を呼ばれたから、驚いて眠気が吹き飛んだ。
学園の高等部には、Sクラスとは言わば、成績のいい優等生のクラスだ。
中には天才と呼ばれる人もいるらしい。(ちなみ、クラスは6つのクラスがあり、S、A〜Eクラスまである。)
そんな人も呼ばれてるのに、オレで?
オレは少しやな予感がしたけど、呼ばれたからには行くしかない。
少し怠い体を動かして、教室から出て行った。
「突然、呼び出してしまって申し訳ありません。皆さんに大事なお話がありまして。」
「いえ…(汗)」
職員室に着くと、オレは他のメンバーと一緒に教頭先生が座る机の前に並んで立っていた。
しかも、そのメンバーの中には、何故か放送では呼ばれていなかった斗真がいた。
「なんで、お前まで居んの?(小声)」
「いやぁ〜、部活の顧問に説教されてたら、急に呼ばれたw。ラッキーだったぜw(小声)」
左隣に立っている斗真は笑っているけど、オレは嫌な予感しか出来ないでいた。
それに、右隣に並んでいる生徒……オレと同じ放送では呼ばれた奴らも、オレと同じ不安そうな顔をしている。
「たった今、寮の方から連絡が来たのですが、配水パイプが破損しているらしいので、明日から修繕工事を行うとの事です。
その為、皆さんには申し訳無いのですが、今から寮に戻って頂いて、荷造りをして頂きたいのです。」
「えぇ!?…じゃあ、オ、僕達はどうしたらいいんですか⁉︎」
教頭先生の話を聞いて、オレは一番に質問をした。
うわぁ〜……嫌な予感的中したなぁ〜。
「大丈夫ですよ。同じ寮内の部屋に移動してもらいます。丁度、一人で生活している方が4名いるので、その部屋に移動してください。」
「えっ?……4人?」
「えぇ。皆さんには、2年生の先輩の部屋に移動して貰います。相手の方々には既に連絡をしていますので、先に部屋の整頓をして貰っていますので。」
話を聞いたオレは、斗真と顔を見合ってしまった……他の2人も同じだった。
突然、先輩とルームメイトになるなんて言われれば、戸惑うに決まっている。
まぁ、別に先輩と相部屋が珍しいわけでは無いけど、ちょっと困ってしまった。
「部屋はそれぞれ違いますが、これからも仲良くしてくだい。また、先輩方とも仲良くお願いします。
これで、私からの話は以上になります。早急に寮へ戻って、荷造りをお願いします。」
教頭先生はそう言って、オレたちに部屋番号が書かれたプリントを渡して来た。
てか、これから荷造りって……めっちゃ大変じゃん!
これからのことを考えていたら、プリントに書かれていた日付が見えた。
あれ?……今日って……そうだ!!あの日じゃん!!
「あ、あの教頭先生?」
「なんですか、羽鳥君?」
オレは少しよそよそしく先生に話しかけた。
「あの……今日、大学教授の琴原教授の検査の日なんですが……」
「ほう、琴原教授ですか?……そうですか、君が。検査は何時からですか?」
「えぇっと……14時だったと思うですけど、とりあえず今日は、元々早退する予定で。けど、時間かかるので……」
「分かりました。では、とりあえず寮に戻って、荷物の整理をして下さい。教授の方には私から連絡して、可能なら時間を前倒しにして貰うよう頼んでおきましょう。
荷物を運ぶのは……そうですね。」
今は11時ぐらいだから、部屋に戻って、荷物をまとめるだけなら、13時には終わるだろう。
別に物が多い訳じゃないけど、斗真の手伝いをさせられるだろうし……(汗)
そうなったら、流石に部屋は持って行く時間もない。
教頭先生は少し悩んでいると、隣にいた斗真が手を上げてくれた。
「あ、俺が運びます!」
「それは良かった。なら、部屋には大谷君にお願いしましょう。」
「ごめんね、斗真。ありがとう。」
「いいって、体力だけはあるし俺w。その代わり、俺の荷造り手伝ってな?」
想定内の発言だけど、なんかお礼を言ったが勿体ない気がしてきた。
まぁ、仕方がないんだけどね?
その後、話についたオレたちは、職員室を出た。
「はぁ……大変な事になったね、斗真。」
「まぁな。でも、新しいルームメイトの先生……どんな人だろうな?」
「取り敢えず、朝の斗真を起こしてくれるような人だといいな?別の部屋になるのに、朝起こしに行くの嫌だしw。」
「ひでぇ!!なんだよ、それ!!俺がだらしないみたいじゃねぇかよ!」
「なら、ちゃんと一人で起きなよ?」
「う"ぅ……そ、そんなのは、どうとでもなるからいいんだよ!(汗)」
ぐうの音も出ない様だった斗真が焦り始めると、クスクスっと笑う声が聞こえてきた。
オレと斗真はその声の方を振り向くと、笑っていたのは一緒に職員室から出てきた一人だった。
「あっ!ごめんね?悪気があった訳じゃ無くて、なんかお兄ちゃんに怒られてる弟みたいに見えちゃってw。本当にごめんなさい。」
笑った事を謝ってきたのは、オレとそんなに背が変わらない眼鏡を掛けた可愛らしい人だった。
「ううん、大丈夫だよ。でも、訂正させて貰うと、こんな弟はオレは要りません。もっと、ちゃんとした弟がいいよw。」
「な"ぁ!!俺が弟かよ!!!」
オレの言い分に、ツッコミを入れる斗真を見て、その子はまた笑い始めた。
「ははっ、オレは1-Cの羽鳥 鳴。こっちは1-Eの大谷 斗真。よろしくね。」
「うん。僕は1-Sの日狩 宙(ひかり そら)。こっちは、ルームメイトの……」
「1-Bの紫藤 大輔。よろしくな。」
宙君が紹介してくれたのは、オレと斗真の間らへんぐらいある身長のイケメン君だった。
「お前かぁ〜、斗真の子守りしてるってのは?」
「えっ?オレの事知ってんの?」
「まぁな。ちょっとした有名人だし?めんどくさがり屋の大谷 斗真を躾けたって噂あるし。」
「何それ!!!?初耳なんだけど!」
「おい!大輔!!誰が躾られたってよ!!(焦)」
何?知り合いなの?もしかして、同じ部活とか?
この学校では6クラスもあって、それに人数も多いから同級生でも、知らない人が多い。
同じクラスかルームメイト経由でしか、中々出会える事が出来ない。
「斗真の友達?」
「ん?あぁ、こいつとは同中で、幼馴染的な?」
何故、疑問系なんだ?
でも、同じ中学の人かぁ〜いいなぁ。
「小学生からの付き合いなんだ。俺と斗真は、大変だろ?こいつと同室はww。」
おっ!!この人とは話が合いそうだな?
「みんな。話はしたいけど、早くしないと引越しが遅くなっちゃうよ?それに……鳴ちゃんでいいかな?大学に行かないといけないんでしょう?」
ち、ちゃん!!?
な、なんだろ……宙君に言われると、ちょっと胸キュン//
「そ、そうだね//えっと……宙君?」
「どうしたの?」
「お、オレも宙ちゃんって呼んでいい?」
「うん、もちろん!w」
う"っ!!!!……ど、どうしよう……宙ちゃんを見てると、オレの中のいけないものが、目覚めそう……き、気を付けねば(汗)
オレは危ない感情を押さえつけながら、みんなと一緒に寮へ戻って行く。
と、取り敢えず、早く先生に診てもらわないとね。
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