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後日談 夏休み限定遠距離恋愛6
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「そうかなあ……」
翔太にだって、いいところはたくさんあるのにな。全部挙げてやりたかったけど、オレはとりあえず翔太の話を聞くことにした。
「それなのにあいつ、僕のこと本気で尊敬してるってさ。意味が分からないよね。でも嬉しいかも。しかも、美里は今中3なんだけど、第1志望校は大和工業高専にするって。あんな男まみれの学校で大丈夫かなぁ」
卑屈な口調が、穏やかになっていく。もはや翔太は落ち込んでいなかった。
掛けようとしていた励ましの言葉さえ、頭から消えていく。今日の翔太は感情の変化がめまぐるしすぎる。
「えーっと……翔太って実はシスコン?」
純粋な兄妹愛とシスコンの違いはオレにはよく分からないけど。
予想通り、翔太に全力で反論された。
「それ、たまに言われるけど納得できない。シスコンって姉妹に恋愛感情持ってたりする人のことでしょ? だいたい、僕には恭弥がいるんだ。僕は同性愛者なのかもしれないけどシスコンじゃない」
すっかり論破されてしまったけれど、胸が熱くなった。ーー誤解のないように言っておくと、オレが翔太のようなマゾヒストだからではない。
ーー僕には恭弥がいるんだ。
その一言に、翔太の気持ちを感じたのだ。
「翔太……!」
オレは翔太を後ろから抱き締めたまま、翔太の首筋に口づけた。
「あ……っ、何、いきなり……ぁっ……」
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