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アレ
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皆様、覚えてるでしょうか?
僕、篠宮時雨は生徒会補佐になる代わりに、要さんにアレをもらう、と。
生徒会室に入ってきたときはちょっと焦ったよ。
日月くんが驚いてたしねw
可愛いなぁ。
で、アレなんですが。
実はこれからなんだよね。
ナウで要さんがこれからくれるんだ。
楽しみだなぁ。
要さんは生徒会室の外から台車で段ボールを運んできた。
あ、なんかすみません。
「これだよね。
ちょっと確認して足りないのとかあったら言ってね」
「開けていいのっ?」
「もう君の物だしね」
僕は満面の笑みだったと思う。
でも、本当に嬉しいんだ。
だって、どれも高くて買えないからwww
「うわぁっ。
すごい!
あっ、こんな貴重な物までっ。
わぁ、すごいすごいっ」
「ふふっ、まるで子どもだね」
要さんがなんか言ってたけど、それどころじゃない。
僕が欲しかったものは本。
心理学とか哲学とか、そういう類のもの。
「うわぁっ、もう要さん大好きっ!!」
「おっと」
思わず本を持ったまま要さんに抱きつく。
最高っ、これでしばらくハッピーデイだわ。
「時雨くんって本好きなの?」
「うん、大好きっ!
っていうか愛してる!」
だって面白いじゃん。
知識の宝庫だし、楽しいし。
「あれ? これって……」
本と本の間に挟まっていた物を見る。
手紙?
開いてみる。
『時雨へ』
「な、んで……今更…………要さん、これって……」
「ごめんね、ついこの前、彼の担任から預かったんだ」
「…………そっか。
うん、ありがとう!
あ、じゃあ、これ運ぶから、今日はもう帰るね。
ごめんって、会長、そんな顔しないでよw」
完全にイラついたよねwww
そういうのもいいねぇw
ぼくは台車を押して寮まで帰ってきた。
本をしまうと、さっきの手紙を取り出す。
『時雨へ
この手紙を読んでる頃、きっと俺は時雨の傍に居ないんだろう
時雨は勝手にお前の前から消えた俺を恨んでる?
憎んでる?
怒ってる?
なぁ、お前のこと考えるとどうしても踏み止まってしまうよ
でもごめん
俺は耐えられない
弱い俺で、本当にごめん』
……これ…………
思わず手紙を掴む手に力が入って、くしゃくしゃになってしまった。
『こんなこと身勝手だと思うけど
こんな俺を
いつまでも覚えておいてほしい
forget-me-not
ずっと愛してる
池宮虹』
「……こんなこと…………」
忘れられる訳が無いでしょ……?
君みたいな自分勝手で、我が儘で、しつこくて、世話焼きで、めんどくさくて、優しい奴のこと、忘れられる訳、ない……
愛してるなんて、散々聞いたよ……
僕ももっと言えばよかった……愛してるって。
でも……もう遅いね。
あの日君は
死んでしまったから…………
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