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水しぶき
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おっと、つい本音がw
「ごめんね、時雨ぇ!
怒っちゃった?
何でもするから許して?!」
「……何でも?」
「何でも!」
そっかそっか。
じゃあ……
「チーズケーキ」
「チーズケーキ?
わかった、時雨が満足するまでたくさん作るからね!」
「あとチョコケーキとフルーツケーキとクレープとアップルパイとチェリーパイ」
「全部作ってあげるから機嫌なおして!」
ってか裸で抱き合うとか変態みたいだから、嫌なんだけどなぁ。
「近親相姦ってヤツ?
時都にはオレが居んだろ?
なぁ」
「やめろ!
乗んな、馬鹿!
時雨が潰れちゃう!」
「おも~い……」
何このカオスな状況。
「会長ー、助けてー」
「何やってるんだ、まったく……」
会長は呆れ顔で僕を引っ張り出してくれた。
どうにか抜けて会長に抱きつく。
あー、やっぱ会長の体だなぁ。
抱きつきやすいし、なんか落ち着く。
「ふぁっ、イチャついてるの?!
最高っ」
「教師になってまで腐ってんのかよ」
「いやあぁ!
ドコ触ってんだ、馬鹿ぁ!」
騒がしいなぁ。
「もう、煩いって、うわっ」
兄さんが抵抗で、シャワーの水を多胡先生にかけて、その水しぶきが飛んできた。
水しぶきっていうか、もう、シャワー。
だいぶ延びてきた前髪が、そのせいで目に入って痛かったから、前髪を掻き上げる。
「もーやだ。
行こ? 会長」
「ぇ……あ、あぁ……///」
……………………ん?
「あれ、しーくん、前髪上げてんの初めて見たー」
「見なくていいよ、視線が邪魔」
「酷い!
でもでもさ、しーくんって前髪上げるとなんか、エロさ倍増するねー」
「ふざけたこと言ってないで溺れてなよ」
「だから酷い!」
何がエロさだよ、会長の方が5000倍エロい…………なんかエロいんだよ!!
気にしないようにしてたのに!
「ほんと嫌い」
「えー?
オレは結構しーくんのこと好きだけど?」
「キモい、やめて、キモい。
うわ、キモい」
「ホントに酷い!」
「お前、篠宮に近過ぎだ」
引っ付くヤリ男を会長が遠ざけてくれた。
やだ、男前!
「遊斗、あまり時雨に迷惑をかけないでください」
もっと言っていいよー!
「皆して酷いよー!
いいもーん、ハルルンの方にいっちゃうから。
いーの? しーくん?」
「春くんに聞いて。
春くんが迷惑だって言うなら、君のソレ再起不能にするからね」
「真顔でやめて?!」
チラ、と視線を春くんにずらすと……
…………あれ?
春くんは少し頬を染めてて、多分温泉のせいじゃない気がするけど……
あれ、満更でもないって感じ?
え、嘘。
「じょ、冗談はやめて下さい。
逆上せてきたので、先に上がります。
3人も逆上せないうちに上がってくださいね」
わぁ、オカンだ。
春くんはなんだか気まずそうに出ていった。
「もう少ししたら上がろっか、会長」
「そうだな」
「えー、オレ、まだ入ってたーい」
「ひとりでね」
ぶー、と言いながら口を尖らすヤリ男にあからさまな嫌悪感を向けた時、後ろから扉が開く音がした。
「あ、港醍くんと委員長」
相変わらずラブラブで羨ましいよ、まったく。
「凄いですね、温泉なんて久しぶりです」
おぅ……なんて純粋無垢な。
港醍くんのこの純粋さ、ヤリ男に分けてあげたいよ。
「あ、時雨さん、先に入ってたんですね」
「うん。
港醍くんも早く入った方がいいよ、温まるよ」
「はい、じゃあ体を流してきます」
あぁ、癒し。
笑顔可愛い。
「あ? 何見てんだよ、キメェな」
「別に見てない。
自意識過剰も甚だしいな」
「んだと、コラ!」
「温泉で騒ぐな、反響して騒がしさが増して、不愉快極まりない」
わぁお、会長毒舌。
でもなんかクールでカッコいいな、って思っちゃう僕、もう末期。
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