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人の気持ちも知らねーで。って、これまで何度思ったことか。余裕で両手両足合わせた指の数を超えている。現に今もそう。俺は円のベッドで円と一緒に寄り添って寝ていた。
(は? こいつ一体何なの?)
隣でぐーすかといびきを掻いて安らかに眠っている円。こいつの思考回路は俺が思っている以上にバグっているのかも知れない。普通に考えて、いくら仲の良い友達同士だからといって、来年の春には男子高校生になろうとしている思春期真っ只中の野郎二人が同じシングルベッドで身を寄せ合って寝るか? 当たり前のように「ちょっと狭いけど、床で寝るよりいいやんな」とか言ってたけど、なんの確認だよ。誰にでもそうしてるわけ。腹立ち紛れに殺意を込めながらストレートに聞いたら「え? 睦月だけやで。友達あんまりおらんし」って返しやがった。下心抱えてる人間に対してあまりにも不用心で無神経な発言だったけど俺は「睦月だけ」という部分が耳の中でずっと反響して、気付いたらなされるがままベッドに体を横たえていた。
(やばいんだけどこいつマジで)
円の一言一行が俺の全てを支配していきやがる。俺はこんなにも心かき乱されてるのに当人は何の気も無いから腹が立つ。そして、虚しい。
好きな人のベッドで寝られるなんて最高! 嬉しい! そんな風に頭の中ふわふわゆるゆる幸せハッピーで喜ぶと思った? 大間違いだから。こちとら、円の匂いに包まれて逃げ場なんてどこにもないせいで、ナニが大変なことになってるんだけど。全然眠られないんだけど。死活問題なんですけど。こいつそろそろ俺に犯されても文句言えないだろ。え、もしかしてこれって上げ膳ですか? 据えられてます? いいのかよ、手を出してよおおお!!
天井をひたすら睨み続けてゆうに2時間は立つ。何もかもギンギンな状態で朝までこの状態が続くとか、……ああ、これが生殺しってやつか。
(ハァ……なんで俺こいつの布団に入っちゃったんだろ)
なんでって、まぁ、好きだからなんだけど。
隣に円がいるのに横も向けやしない。
「……ん、んむにゃ…」
ごろり。寝返りを打った円が俺の腕にすり寄った。
むにゃむにゃと口元を動かした円が。
「……むつきぃ」
いつもより幾分か甘い声で俺の名前をそう呼ぶもんだから。
ショックを起こした時みたいに身体が跳ねて、体中を巡る血が沸騰し、全身の毛穴から大量の汗がどばっと出た。それは、─────汗だけじゃない。
(……嘘、だろ)
最悪。最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪さい、あく。
宝木睦月、中学三年の夏。
幼馴染が横で眠るベッドの中で、射精しました。
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