アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
迷子の鈴音とうーくん 05
-
空港までは颯斗さんに送ってもらった。
本当は熊本駅から二人で空港に行くことになっていたんだけど、鈴音がギリギリまで俺たち(8割光さん)といたいと言ったから。
車の中では鈴音の中で最近ブームが来ているしりとりをして過ごしていた。
そして保安検査場の受付時間15分前。
混んでくるからもうそろそろ行かなければならない。
「二日間お世話になりました。鈴音くんも僕と遊んでくれてありがとうね」
「お世話になりましたーっ!」
光さんが抱っこしている鈴音を下ろすと、鈴音は颯斗さんの方に「抱っこ」と行った。
颯斗さんはそんな鈴音を「仕方ないなあ」と笑いながら抱っこする。
はしゃぎ過ぎて眠いらしい。
俺も光さんに抱っこして欲しいくらい眠い。
「ひかさん」
「うん?」
こちらを見た光さんに「俺も抱っこ」と腕を広げてみる。
「大きな子供だね」
なんと返されるだろうか、とドキドキしていたら、頭を撫でられ、笑って見事にスルーされた。
分かっていたけどな!
気を取り直そうと颯斗さんたちの方を見る。
「遠いところから来てくれてありがとうね。鈴音の世話もしてくれてありがとう。鈴音、ありがとうは?」
「ひーくん、いーくん、ありがとお…」
「光くん、色葉のことこれからもよろしくね。色葉は光くんに迷惑かけないように!」
「はいはい。じゃあ今度あのことで連絡するけん、そのときはよろしくー」
あのこととは、女装のことである。
ゆーくんの誕生日に、ゆーくんの代わりに伊織を働かせる交換条件としてそれが決まった。
メイクとか出来る人がいないから椿に頼むか考えていた。でもわざわざ熊本から呼ぶのもなあ、と思っていたけど本人が来る気満々だから頼むことにした。
まだ光さんには内緒。
だって恥ずかしい。まだ心の準備ができてないし。
本当にお別れの時。鈴音はもう眠っていた。
それを見た光さんは少し寂しそうだった。
「じゃあ、またねー!」
「本当にありがとうございました」
こうして俺たちは保安検査場を通り、飛行機に乗って帰った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
190 / 197